市場調査大手のインテージは2026年11月4日、同社のサービスで使っているアンケートシステムに外部からの不正アクセスが確認されたと発表した。被害の拡大防止と安全確保を最優先として該当システムを停止し、緊急メンテナンスを実施している。これに伴い、アンケートの回答画面と関連サービスの利用を一時停止した。現時点の調査では、個人情報とアンケート回答データの漏えいは確認されていないとしている。
回答画面を止め、影響範囲を調査中
インテージの発表によると、不正アクセスが確認されたのは同社のサービスで利用しているアンケートシステムである。同社は該当システムを止めたうえで、不正アクセスの影響範囲と被害状況を詳しく調べている。
同社は発表の中で、顧客企業に加えて、モニター(アンケートの回答者)や取引先にも迷惑をかけているとして謝罪している。今回の停止は、モニターが回答する画面だけでなく、関連サービスにも及んでいる。
同社は、発注を受けている調査業務などに影響が出る可能性がある顧客に対しては、担当者から個別に状況を説明し、今後の対応を連絡するとしている。あわせて、サービスとシステムの安全性を確保するための改修・点検作業を最優先で進めるという。
漏えいは現時点で確認されず、調査は継続
今回の発表で、同社は個人情報と回答データの漏えいを「現時点の調査において」確認していないとしている。影響範囲の調査は続いており、結論が出たわけではない。
市場調査のアンケートシステムには、回答者の属性や生活に関する回答が蓄積されやすい。仮に漏えいが確認された場合は、回答者に関する情報に加え、調査を発注した企業に関わる情報が含まれるかどうかも確かめる必要がある。調査会社は、発注元にとって重要な委託先の一つである。
外部に公開する「入力画面」をどう守るか
一般論として、インターネットからアクセスできる回答画面や、その処理を担うサーバーは、不正アクセスの入口となる可能性がある。今回の侵入経路について、同社は明らかにしていない。
今回、インテージは不正アクセスを確認した段階でシステムを止める判断をした。システムの停止は調査業務に影響する可能性があるが、不正アクセスによる影響の範囲が分からないまま動かし続けるよりも、被害の広がりを抑えやすい。外部に公開しているWebサービスについて、不審な挙動をいち早く見つけ、どこまで影響したかをすぐに調べられる体制を持っているかどうかが、停止の判断と復旧の速さを左右する。
調査を外部に委託している企業にとっても、委託先がこうした体制を備えているか、事故が起きたときにどの範囲の情報が影響を受けうるのかを、平時から確かめておくことが求められる。
同じ手口に、自社は備えられていますか?
