NTTドコモは2026年11月5日、自社サーバーに外部から不正なアクセスが行われた可能性が高いと判断し、「ドコモオンラインショップ」と「My docomo」の各種手続きを止めて緊急メンテナンスに入ったと発表した。停止は同日午前1時5分ごろから続いており、原因と影響範囲は調査中としている。個人情報が漏えいしたかどうかについて、同社は現時点で触れていない。
オンラインの手続き窓口が止まる
ドコモの発表によると、影響を受けているのはドコモオンラインショップとMy docomoで行う各種手続きである。ドコモオンラインショップは端末の購入や機種変更などを受け付ける通販サイト、My docomoは料金プランの変更や契約内容の確認などを行う会員向けサイトで、いずれも契約者がオンラインで手続きをするための主要な窓口にあたる。
同社は、外部からの不正なアクセスが行われた可能性が高いと判断したため、原因を突き止める目的でサービスを停止したと説明している。発表時点では、どのサーバーにどのような手口でアクセスされたのか、データが持ち出されたのかといった点は明らかにされていない。
急ぎの手続きが必要な利用者に対しては、ドコモショップや量販店、一般販売店などの店頭で手続きできる場合があるとして、最寄りの店舗に相談するよう案内している。
同じ日に5G SAの通信障害も、関連は「確認中」
ドコモは同日午前11時18分ごろから、5G SA(Standalone、4Gの設備に頼らず5G単独で動く方式)を契約している利用者を対象に、全国で音声通話・データ通信・SMS(ショートメッセージサービス)がつながりにくい状態になっているとも発表した。5G SA以外の5Gと4Gの利用者、ドコモ回線を使う格安SIM(MVNO)、緊急通報には影響がないという。
この通信障害の原因について、ドコモは午後3時時点の第四報でも「確認中」としている。報道によると、同社は不正アクセスとの関係についても確認中としており、現時点で両者が関係しているかどうかは分かっていない。
「止める判断」の速さと、その後の説明が問われる
大手通信事業者が、不正アクセスの「可能性が高い」という段階でオンラインの主要窓口を自ら止めたことは、被害の広がりを抑えるうえで合理的な判断といえる。不正アクセスが起きていた場合、範囲が分からないままサービスを動かし続ければ、被害が広がるおそれがあるためである。
一方で、オンラインの窓口が止まれば、契約者は必要な手続きを店頭で行えるか確かめる必要が生じるなど、利用者の手続きに支障が出る。今後の焦点は、システムが侵害されたのか、侵害されたのであればその範囲はどこまでか、個人情報や、ID・パスワードなどの認証情報に影響が及んだのかを、同社がどこまで早く具体的に示せるかにある。
利用者の側では、この発表に便乗した偽のSMSやメールに注意したい。「不正アクセスの影響確認」「本人確認のお願い」などをうたい、dアカウントのIDやパスワードを入力させようとするメッセージには注意が必要である。手続きはドコモの公式アプリや公式サイトのブックマークからたどり、メッセージ内のリンクは開かないことが基本になる。
企業にとっても、外部に公開しているWebサービスのサーバーは攻撃の入口になりやすい。サーバーや端末の不審な挙動を早く見つけて、どこまで広がったかをすぐに調べられる体制を持っているかどうかが、サービス停止を判断し、原因を特定するまでの時間を左右する。
同じ手口に、自社は備えられていますか?
