総務省の「全国型CTF」が全国9会場+オンラインに拡大 10月3日開催、初めてでも参加できるワークショップ形式

総務省は2026年8月3日、学生や若手社会人を対象としたサイバーセキュリティ競技会「全国型CTFコンテスト」を10月3日(土)に開催すると発表した。CTF(Capture The Flag)は、専門知識や技術を使って隠された答え(Flag)を見つけ出す、クイズ形式のセキュリティ競技を指す。会場は全国9か所とオンライン。参加費は無料で、申し込みは9月25日まで受け付ける。CTFといえば経験者同士が腕を競う場という印象が強いが、このコンテストは「初めての人が触ってみる場」として設計されている点に特徴がある。

開催概要

開催日時は2026年10月3日(土)12時から17時30分まで(受付開始11時30分)。本会場は東京(AP浜松町 Room D+E+F)で、地方会場は仙台・長野・金沢・名古屋・大阪・宇部・松山・博多の8か所。加えてオンライン会場が設けられる。

定員は本会場が50名、地方会場が各会場30名、オンライン会場が450名で、いずれも先着順。対象はサイバーセキュリティに関心がある中学生・高校生・高専生・短大生・専門学校生・大学生・大学院生と、社会人3年目までの若手だが、総務省はこれ以外の人も参加できるとしている。参加手続きは、運営事務を受託する一般財団法人関西情報センター(KIIS)の専用フォームから行う。

主催は総務省サイバーセキュリティ統括官室と、東北・関東・信越・北陸・東海・近畿・中国・四国・九州の各総合通信局。総務省の過去の報道資料によれば、前回にあたる令和7年度は全国7会場とオンラインでの開催だったため、今回は地方会場が2か所増えたことになる。

「競技」より「講義とワークショップ」に寄せた構成

プログラムは3部構成をとる。第1部はサイバーセキュリティに関する講演で、最近話題になったインシデント事例を紹介しながら攻撃のトレンドを解説する。第2部が本編のCTFワークショップで、参加者はセキュリティに関する謎解き問題に取り組み、獲得点数を競う。全体および各会場の優秀者は表彰される。第3部では、取り組んだ問題を講師が解説する。講師は3部を通じて、情報通信研究機構(NICT)ナショナルサイバートレーニングセンター長の園田道夫氏が務める。

注目すべきは第3部の存在だ。CTFでは競技終了後にそのまま解散となり、解けなかった問題の復習は各自に委ねられるケースも少なくない。ここに解説の時間を組み込んでいるということは、順位を決めることよりも「解き方を持ち帰らせること」に重心が置かれているということだろう。問題が解けなかった参加者を置き去りにしない構成は、初参加者を主要な対象に据えた設計とみてよい。

人材不足の入口を、どう広げるか

国内のサイバーセキュリティ人材が足りないという指摘は、もう何年も繰り返されている。総務省も今回の開催趣旨で、サイバー攻撃の被害が深刻化するなか、脅威に対応する人材の育成・確保が重要な課題になっていると説明する。ただ、課題認識が共有されていることと、実際に人が入ってくることは別の話だ。

この分野の入口には、独特の狭さがある。専門書やベンダー資格から入ろうとすると、面白さを感じる前に用語の壁にぶつかる。一方で「防御側の仕事」は、日常のなかで目に見える形をとりにくい。中高生が進路として意識するには、そもそも接点が少なすぎる。

CTFという形式は、この入口の狭さに対する現実的な答えのひとつになりうる。答えを見つけ出すという行為自体にゲーム性があり、成果がその場で点数として返ってくる。技術の全体像を理解していなくても、ひとつ解けた瞬間に「もう少し先を見てみたい」と思わせる力がある。無料であること、オンライン枠が450名と会場枠より大きく取られていることも、地理的・経済的な条件で参加をあきらめる層を減らす方向に働く。

もっとも、1日のイベントで人材が育つわけではない。この種の取り組みの価値は、参加した数百人のうち何人かが翌年も何かに手を出し、数年後に進路として選ぶかどうかで測られる。会場を7か所から9か所に増やし、初心者向けの解説パートを置くという今回の設計は、その「翌年」につながる確率を少しでも上げようとする調整に見える。人材育成の効果は数年単位でしか現れないため、こうした地道な入口づくりを毎年続けられるかどうかが問われることになる。

同じ手口に、自社は備えられていますか?

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