この記事では、サイバーセキュリティ分野で頻繁に聞かれる「EPP(Endpoint Protection Platform)」と「EDR(Endpoint Detection and Response)」の違いについて解説します。また、現代の複雑なサイバー脅威環境において、どのようにこれらのツールを効果的に活用すべきかについても触れていきます。

■【初めての人も必見!】EPPとEDRの基礎知識

ここでは、EPP(エンドポイント保護プラットフォーム)とEDR(エンドポイント検出・対応)という二つの重要なセキュリティ技術について初心者の方にも分かりやすく説明します。EPPが提供する基本的な保護機能と、EDRが持つより高度な脅威検出と対応機能の概要を紹介し、これらがどのように組織のセキュリティを強化するかを解説します。

①EPP(Endpoint Protection Platform)とは?

エンドポイント保護プラットフォーム(EPP)は、従来のウイルス対策ソリューションの進化形として登場しました。マルウェアやランサムウェアなどの一般的なサイバー脅威から組織のデバイスを保護することを目的としています。EPPは、ファイルベースの攻撃検知、ファイアウォール、Eメールセキュリティなど、多様な防御機能を統合して提供します。主に既知の脅威に焦点を当て、予防的なセキュリティ対策を中心に機能します。

②EDR(Endpoint Detection and Response)とは?

エンドポイント検出・対応(EDR)は、EPPの機能をさらに拡張したセキュリティソリューションです。EDRは、未知の脅威や高度な攻撃パターンを特定し、対応するために設計されています。これは、エンドポイントでのアクティビティをリアルタイムで監視し、異常な動作を検出することによって実現されます。EDRシステムは、脅威発生後の迅速な調査と対応、そして事後分析を可能にし、組織のセキュリティ対策を強化します。

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▮EPPとEDRの違いって?

ここでは、EPPとEDRの間の具体的な違いを深掘りし、それぞれのアプローチ、データ解析、リアルタイム性、および対応範囲における相違点を明確に説明します。最適なソリューションを選ぶ上でお役に立てますと幸いです。

①アプローチの違い

EPPとEDRの根本的な違いは、脅威に対するアプローチにあります。EPPは予防的なセキュリティ対策に重点を置き、主に既知の脅威に対応するための機能を備えています。これに対し、EDRは継続的なモニタリングと分析を通じて、未知の脅威や高度な攻撃パターンを特定します。EDRは、エンドポイントでの異常な活動を検出し、それを基にして脅威に対応する能力を持っています。

②データ解析の違い

EPPは主にシグネチャベースの検出メカニズムを採用しており、既知のマルウェアやウイルスを識別します。一方で、EDRは行動ベースの分析を用いて、未知のマルウェアやゼロデイ攻撃を検出する能力を持っています。EDRは、エンドポイント上の疑わしい活動や異常なパターンを分析し、それに基づいて脅威を特定します。

③リアルタイム性の違い

EPPは、事前に定義された脅威に反応するように設計されていますが、リアルタイムの脅威対応は限定的です。一方、EDRはリアルタイムでの監視と分析を特徴とし、エンドポイント上での脅威を即時に検出し、対応します。このリアルタイム性は、特に急速に進化するサイバー攻撃の環境において、非常に重要です。

④対応範囲の違い

EPPは伝統的な脅威から保護するために広範なカバレッジを提供しますが、EDRは特に複雑で洗練された攻撃に焦点を当てています。EDRは、エンドポイント上で発生するあらゆる種類の脅威に対応し、詳細に解析することが可能です。

▮【EDR導入のメリット】企業にとっての利点

EDRの導入が企業にもたらす利点を詳細に解説するセクションです。高度な脅威検知、被害拡大の防止、インシデント対応の迅速化、および運用コストの削減など、EDRが企業のセキュリティ戦略にどのように貢献するかを検討します。

①高度な脅威検知の可能性

EDRの最大のメリットは、高度な脅威検知能力にあります。これは、未知のマルウェアやゼロデイ攻撃など、従来のセキュリティソリューションでは捉えられない脅威に対応できることを意味します。EDRは継続的なモニタリングと高度な分析機能を組み合わせることで、これらの脅威をリアルタイムで検出し、迅速に対応することが可能です。

②被害拡大の防止

EDRは、脅威の早期発見と迅速な対応により、セキュリティインシデントによる被害の拡大を防ぐことにも貢献します。攻撃が発生した際、EDRシステムは自動的に対応措置を講じ、攻撃の拡散を阻止することができます。これにより、重要なデータの漏洩やシステムのダウンタイムを最小限に抑えることが可能になります。

③インシデント対応の迅速化

EDRの導入は、セキュリティインシデント発生時の対応速度を向上させます。EDRシステムは、攻撃の詳細な情報を提供し、どのような対応が必要かを迅速に判断することを支援します。これにより、セキュリティチームはより効果的にインシデントに対処し、システムの回復時間を短縮することができます。

④運用コストの削減

EDRは運用の効率化にも寄与し、長期的には運用コストの削減につながります。自動化された脅威検出と対応機能により、セキュリティチームの手作業による監視負担が軽減されます。また、インシデント発生時の迅速な対応は、重大なデータ漏洩やシステム障害による損失を未然に防ぎ、結果としてコスト削減に貢献します。

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▮導入検討のポイント

ここでは、EDRシステムの導入を成功させるために必要な準備と考慮点を提供します。事前評価の重要性、現行システムとの連携、コストと効果の評価、そして導入時のスタッフ教育に焦点を当て、効果的なEDR導入戦略を立てるためのガイダンスを提供します。

①事前評価と比較検討の重要性

EDRシステムの導入を検討する際には、事前の評価と比較検討が不可欠です。組織のセキュリティニーズに最適なEDRソリューションを選択するためには、複数の製品を比較し、それぞれの機能、パフォーマンス、コストを検討する必要があります。また、既存のセキュリティインフラとの互換性も重要な考慮事項です。

②現行システムとの連携方法

EDRの導入は、既存のセキュリティシステムとの連携を考慮する必要があります。EPPや他のセキュリティツールとの統合性を確認し、シームレスなセキュリティ体制を構築することが重要です。EDRソリューションが現行システムと効果的に連携し、全体のセキュリティを強化できるかどうかを評価することが不可欠です。

③導入コストと効果の見極め方

EDRの導入には運用コストが伴います。そのため、コストと効果のバランスを正確に評価することが重要です。セキュリティインシデントによる損失リスクの低減、運用効率の向上、および長期的なコスト削減の観点から検討することが推奨されます。

④導入時のスタッフ教育

EDRの導入には、適切なスタッフ教育とトレーニングが不可欠です。セキュリティチームがEDRの機能を十分に理解し、効果的に運用できるようにするためには、専門的なトレーニングプログラムの実施が重要です。スタッフのスキルアップと知識の向上は、EDRシステムの効果的な運用において、不可欠な要素です。

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▮EPPとEDRの適切な活用方法

最後に、EPPとEDRを組み合わせた統合的なセキュリティ運用手法の重要性と、これらを最適に活用する方法を提案します。

①統合的なセキュリティ運用手法

EPPとEDRを最適に活用するためには、これらを組み合わせた統合的なセキュリティ運用手法が推奨されます。EPPは基本的なセキュリティ層を提供し、EDRは高度な脅威分析と対応機能を加えます。この組み合わせにより、組織は既知の脅威から保護されると同時に、新たな脅威や複雑な攻撃にも迅速に対応することが可能になります。

②セキュリティ対策のトレンドと将来展望

サイバーセキュリティの世界は絶えず進化しており、新しい脅威や攻撃手法が登場しています。EPPとEDRの活用は、これらの変化に対応するための強力な手段です。将来的には、機械学習や人工知能を組み込んださらに高度なセキュリティソリューションが登場することが予想されます。そのため、組織は常に最新のセキュリティトレンドに注意を払い、適切な対策を継続的に更新し続けることが重要です。

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