e-Taxで「不審な通信」を検知、国税庁が緊急メンテナンスで運用を停止 再開時期は未定

国税庁は2026年11月4日、国税の電子申告・納税システム「e-Tax」で不審な通信を検知したとして、確認のための機器メンテナンスを実施していると発表した。メンテナンス期間中はe-Taxを利用できず、終了時期は改めて知らせるとしている。不審な通信の中身や、情報が外部に出たかどうかについて、国税庁は現時点で明らかにしていない。

国税庁の発表内容

国税庁がe-Taxのウェブサイトに掲載したお知らせによると、11月4日にe-Taxで不審な通信を検知し、確認のための機器メンテナンスに入った。お知らせには同日19時の追記があり、メンテナンス中はe-Taxが使えないこと、終了時期はあらためてホームページで知らせることが書かれている。国税庁の確定申告書等作成コーナーにも同じ内容の案内が出ている。

発表で触れているのは「不審な通信を検知した」という事実と、システムを止めて確認作業を行っているという対応までである。通信の発信元や手口、システム内部への侵入の有無、申告データや利用者情報への影響については、現時点で公表されていない。

報道によると、e-Taxは11月4日の昼ごろから使えない状態になっており、利用者のあいだでは正午過ぎから「メンテナンス中で納税できない」といった声が出ていた。国税庁がX(旧Twitter)で告知したのは同日の午後8時過ぎだったとされる。

利用者への影響

e-Taxは、所得税や法人税、消費税の申告、源泉所得税の納付、各種の申請・届出などをオンラインで行うための基盤である。個人だけでなく、企業の経理担当者や税理士が日常的に使っている。

11月は企業が年末調整の準備を進める時期にあたる。報道では、利用者から「年末調整ができない」という声も上がっているという。再開時期が示されていないため、e-Taxでの提出や納付を予定していた企業は、期限や代わりの手段を確かめておく必要がある。

「止めて確かめる」判断と、その後の説明が問われる

不審な通信を見つけた時点でシステムを止め、確認を優先する対応は、仮に侵入があった場合に被害の拡大を防ぐうえで理にかなっている。侵入の有無がわからないまま運用を続ければ、攻撃者に時間を与えることになりかねない。

一方で、国民の多くが使う行政システムでは、止めることそのものが社会に影響を及ぼす。今回は、利用できない状態が始まってから告知が出るまでに時間が空いたと報じられている。止める判断の速さと、利用者への説明の速さは、両方そろって初めて信頼につながる。

企業にとっても他人事ではない。自社のシステムで不審な通信を見つけたとき、誰が止める判断をし、取引先や顧客に何をいつ伝えるのかを決めておかなければ、同じ混乱が起こり得る。不審な通信を早く見つけるための監視の仕組みと、見つけたあとの初動の手順を、あわせて見直しておきたい。

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出典・参考リンク