ペットフード通販「K9ナチュラル」に不正アクセス 会員ら約6万件の情報流出のおそれ

ニュージーランド産のプレミアムペットフードを輸入・販売する株式会社K9ナチュラルジャパンが、自社の通販サーバーへの不正アクセスにより、顧客の個人情報の一部が外部に流出したことを確認したと公表した。対象は約6万件(精査中)に上る可能性があり、EC(電子商取引)事業者が抱える情報管理リスクの大きさを改めて示す事案となった。

警視庁からの連絡を端緒に発覚

同社の公式発表によると、事案が明らかになったきっかけは2026年7月9日、警視庁から「個人情報漏えいのおそれがある」旨の連絡を受けたことだった。同社は直ちに調査を開始し、翌7月10日時点で販売サイトへの外部からのアクセスを遮断して緊急の安全対策を実施したという。同社は7月14日付で「不正アクセスによるお客様情報流出に関するお詫びとお願い」を公式サイトに掲載した。

発表時点で継続的な不正アクセスは確認されていないとしつつも、監視を継続していると説明。警察および個人情報保護委員会をはじめとする関係当局への報告も行っているとしている。

対象は約6万件、暗号化パスワードや購入履歴も

流出の対象となる可能性があるのは、同社ウェブサイトに登録されていた約6万件(現在精査中)の個人会員および取引先の情報の一部だ。同社が挙げた対象項目は、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日、性別、職業、暗号化されたパスワード、会員ID、購入履歴、保有ポイントなど多岐にわたる。

一方でクレジットカード情報については、決済業務を決済代行会社に委託しているため同社では保有しておらず、「本件の流出対象としては確認されておりません」と説明。銀行口座情報も保有していないとしている。ただし、対象となる件数・項目は調査の進展により変動する可能性があるとしており、確定した内容は改めて掲載ページで報告するとしている。
同社は流出対象となる顧客に対し、電子メールまたは書面でお詫びと説明、パスワード変更の依頼、注意喚起を順次送付するとしている。

パスワード使い回しと「なりすまし」への警戒を

今回、パスワードは暗号化された状態で管理されていたものの、同社は利用者に対し重要な注意喚起を行っている。すなわち、他のウェブサービスで同社サービスと同一のメールアドレス・パスワードの組み合わせを使っている場合は、第三者による悪用(いわゆるパスワードリスト型攻撃)を防ぐため、他サービス側のパスワード変更を検討してほしいという点だ。異なるサービスで同じ認証情報を使い回していると、一箇所の漏えいが連鎖的な被害につながりかねない。

もう一つの焦点が、流出情報を悪用した「なりすまし」や詐欺への警戒である。同社は、購入者向けサポートや返金案内を装った不審なメール・電話・SMS、身に覚えのない商品配送や代金請求などに注意するよう呼びかけ、「当社から電話、メールやSMS等でパスワード、クレジットカード番号、暗証番号等をお尋ねすることは一切ございません」と明言している。購入履歴や会員情報が漏えいした場合、攻撃者はそれらを材料に、より本物らしく見せかけた連絡で利用者を欺こうとする。ログインはブックマーク済みの正規URLから行う、不審なリンクや添付ファイルは開かない、といった基本動作の徹底が、二次被害を防ぐうえで欠かせない。

出典・参考リンク