サイバー攻撃の影響でアスクルが中間決算赤字、66億円を計上

概要

アスクルが2026年1月28日に公表した2026年5月期第2四半期(中間期)決算で、66億円の最終損失となった。この業績にはサイバー攻撃の影響が反映されている。2025年10月19日に発生したランサムウェア攻撃によるシステム障害により、主に物流システムが被害を受けた。企業活動の基盤となるシステムが攻撃を受けた場合、事業運営や会計上の損益に影響が及ぶことがあるが、今回の中間決算でもその影響が示された形である。

詳細な説明

報道では、アスクルの中間決算が赤字となったこと、そしてその要因としてサイバー攻撃の影響があることが伝えられている。売上高は2087億円で前年同期比12.3%減少し、営業損失は29億円となった。サイバー攻撃は、情報システムの停止や復旧対応、業務の遅延などを引き起こし、損益の両面で決算に反映される。特に、システム障害対応費用として52億円を特別損失として計上したことが赤字の主要な要因となった。攻撃によってASKUL、ソロエルアリーナ、LOHACOで注文受付や出荷が一時停止され、復旧までの間は物流システムを介さない手作業フローで出荷を継続したものの、従来の物量をカバーできず、物流効率の低下に伴うコスト増も響いた。

影響と対策

サイバー攻撃の影響が決算に表れるという事実は、企業にとってセキュリティ対策が経営課題であることを裏付ける。攻撃を受けた場合には、原因の特定やシステム復旧、再発防止策の検討などの対応が求められる。アスクルでは、セキュリティ面の原因分析や技術的な対策はすでに完了しており、商品の出荷についてはおおむね平常通りに回復している。また、物流設備を含む全拠点でのEDR導入や24時間監視など対策強化とBCPの見直しを進めている。加えて、事業継続の観点から、平時の備えとしてシステム運用体制やインシデント対応の手順整備を進めることが重要である。

企業対応

アスクルは株主への中間配当を無配とし、1年間の業績予想と期末配当については公表を見送った。また、役員への月額固定報酬を2026年1月から5か月間、20%減額する方針を示している。顧客情報を含む一部データの窃取・公開があったとしており、セキュリティ強化に注力している。

まとめ

アスクルの中間決算は66億円の最終損失となり、2025年10月のランサムウェア攻撃による影響が大きく作用した。サイバーリスクは業務のみならず財務面にも波及し得るため、企業は被害発生時の対応に加え、平時からの備えを継続的に見直す必要がある。

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