サイバー攻撃が高度化する中で、多様なマルウェアや不正プログラムが登場しています。その中でも「論理爆弾(ロジックボム)」は、特定の条件が満たされたときに動作を開始するマルウェアの一種です。一般的なウイルスやワームとは異なり、条件が揃うまで潜伏し続けるため、発見が難しいという特徴があります。企業や個人のデータが狙われる中、論理爆弾の仕組みや種類を理解することは、効果的なサイバーセキュリティ対策に不可欠です。本記事では、論理爆弾の基本的な概念やその仕組みについて解説し、他のマルウェアとの違いや具体的な種類についても紹介します。

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論理爆弾とは

論理爆弾(ロジックボム)とは、プログラム内に潜んでいる不正なコードの一種で、特定の条件が満たされたときにだけ動作を開始するように設計されています。例えば、指定された日時や特定の操作が行われた際に発動し、データの破壊やシステム障害を引き起こす仕組みです。論理爆弾は、攻撃者が意図的にプログラムに仕込むことが多く、潜伏期間中は検出されにくい特性があります。そのため、セキュリティ対策においては、論理爆弾の早期発見と防御策が求められます。

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論理爆弾の仕組み

論理爆弾の仕組みは、特定の条件が満たされるまでプログラム内に潜伏し、条件が整った瞬間に不正な動作を開始するというものです。条件は多岐にわたり、特定の日付や時間、特定のファイル操作などが引き金(トリガー)となることが一般的です。発動時には、データ削除やファイルの破壊、システムの停止といった攻撃が行われることが多く、論理爆弾の存在に気づかないと被害が広がりやすくなります。そのため、異常なファイルやプログラム動作に注意し、早期発見を心がけることが重要です。

ウイルスやワームとの違い

論理爆弾は、ウイルスやワームといった他のマルウェアと異なり、自己増殖や感染拡大の機能は持っていません。ウイルスはファイルに感染して自己複製し、ワームはネットワークを介して他の端末に感染を広げるのに対し、論理爆弾はあくまで特定の条件が成立した際にのみ動作する「トリガーベース」のマルウェアです。そのため、論理爆弾は発見が難しく、被害を与えるまで無害なコードとして潜伏する点が特徴的です。

論理爆弾の種類

🔴日時トリガー型

日時トリガー型の論理爆弾は、特定の日時や時間に発動するよう設定されています。例えば、月末の特定日や年末といった重要な時期に動作を開始し、データの削除やシステム停止を引き起こします。攻撃者は企業の業務スケジュールに合わせて発動時期を設定することが多く、影響が大きくなるタイミングで発動させることで、業務に深刻な支障を与えます。このような攻撃は、特にデータのバックアップや監視体制が脆弱な企業に対して大きなリスクとなります。

🔴アクショントリガー型

アクショントリガー型の論理爆弾は、特定の操作が行われた際に発動するよう設計されています。たとえば、特定のプログラムを実行する、特定のファイルにアクセスするなどがトリガーとなり、論理爆弾が起動して不正な動作を開始します。このタイプの論理爆弾は、通常の業務操作の中に潜むため、特定の行動が引き金になることから、発見が難しく、業務フローにおける一連の操作中に発動する可能性が高いです。たとえば、特定のデータファイルにアクセスした際や、重要なアプリケーションを起動した際に発動するケースがあり、従業員の通常業務の中でトリガーが引かれてしまうため、意図せずシステム障害やデータ損失を引き起こします。このタイプの論理爆弾は、システム管理者による定期的な監視や、重要ファイルへのアクセスを厳重に管理することで被害を軽減できます。

🔴内部犯行型

内部犯行型の論理爆弾は、企業の内部関係者が組織のシステム内に仕込むケースが多いです。例えば、不正な解雇や待遇への不満から、従業員が意図的にシステムに論理爆弾を仕掛け、退職後に発動するよう設定することがあります。このような内部犯行型の論理爆弾は、企業の信頼性や事業継続性に深刻なリスクをもたらします。企業は、退職者や異動者に対するシステムアクセス権限の見直しや、ログの定期的な確認を徹底する必要があります。

🔴時限式トリガー型

時限式トリガー型の論理爆弾は、特定の日時が経過すると自動的に発動するように設定されているタイプです。このタイプの論理爆弾は、攻撃者があらかじめ仕掛けておき、特定の期日や時間に合わせて発動します。例えば、期末決算や大規模イベントの日程に合わせて被害を最大化するように仕掛けられることがあり、組織に大きな混乱をもたらすリスクがあります。こうした時限式トリガー型に対抗するためには、定期的なセキュリティチェックと、システムログの確認が有効です。

サイバー攻撃対策をするなら

未知の攻撃にも対応できるセキュリティツールの導入

サイバー攻撃に対処するためには、最新のセキュリティツールの導入が不可欠です。特に、ランサムウェアやゼロデイ攻撃に対しては、従来のウイルス対策ソフトでは不十分であり、AIを活用したEDR(Endpoint Detection and Response)や次世代ファイアウォールの導入が効果的です。これらのツールは、未知の脅威にも迅速に対応でき、攻撃が発生する前にシステムを保護することが可能です。

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セキュリティについて従業員教育を行う

サイバー攻撃対策を効果的に実行するためには、技術的なツールの導入だけでなく、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めることも重要です。多くのサイバー攻撃は、従業員の不注意や不正な操作によって引き起こされるケースが少なくありません。特に、フィッシングメールや悪意のあるリンクをクリックしてしまうことによる情報漏えいは防止可能なものです。定期的なセキュリティ研修やシミュレーションを行うことで、従業員が最新の攻撃手法を理解し、適切な対応を取れるようになります。

セキュリティ対策のガイドラインを策定する

効果的なセキュリティ対策を実施するためには、企業ごとに具体的なセキュリティガイドラインを策定することが求められます。このガイドラインでは、データの取扱い方法、アクセス権の設定、アプリケーションの使用制限など、業務に関連するセキュリティポリシーを明確に定義します。従業員が守るべきセキュリティ基準を文書化することで、全員が一貫したセキュリティ対策を実施できる環境を構築します。

また、ガイドラインを定期的に見直し、最新のサイバー攻撃手法に対応するために必要な変更を加えることも重要です。企業の業務内容や使用する技術の変化に応じて、適切にセキュリティポリシーを更新することで、サイバー攻撃に対する防御力を維持できます。

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