企業運営において情報資産は重要な役割を果たしています。顧客情報や財務データ、知的財産など、企業の競争力や業務効率に直結する情報は膨大です。しかし、これらの情報を適切に管理・保護しないと情報漏洩やデータ改ざん、システム障害などのリスクが生じます。本記事では、情報資産の定義や具体例、その重要性、そしてリスクと対策について解説します。
情報資産とは
情報資産とは企業や組織が持つ情報のうち、経済的価値や業務上の重要性を持つものを指します。これには、顧客情報、財務データ、知的財産、業務プロセスに関する情報、内部のドキュメント、技術データなどが含まれます。
情報資産はデジタル化されている場合もあれば、紙媒体として存在することもあります。例えば、顧客の連絡先情報や購買履歴、会社の収益や費用に関するデータ、特許や商標などの知的財産、業務の標準手順書などが情報資産の具体例として挙げられます。これらの情報は、企業の競争力を維持し、業務を効率的に運営するために不可欠な資源です。
情報資産の具体例
情報資産の具体例として、以下のようなものが挙げられます。
- 顧客情報:名前、住所、電話番号、購入履歴などのデータ。
- 財務データ:会計記録、納税情報、予算計画。
- 知的財産:特許申請中の技術、ブランドロゴ、製品マニュアル。
- 業務手順:標準作業手順書、業務マニュアル、プロセスフロー図。
- 契約書:取引契約、サービス契約、労働契約、秘密保持契約(NDA)など。
情報資産の重要性
情報資産は企業の競争力や業務効率を支える重要な要素です。例えば、顧客データベースを分析することで、顧客のニーズや嗜好を把握しマーケティング戦略を最適化できます。財務情報を正確に管理することで、経営判断を迅速に行い、コスト削減を実現できます。
また知的財産は、企業の技術やブランドを保護し他社との差別化を図るために重要です。これにより、情報資産は企業の成長や持続可能な競争優位性を支える基盤となります。
情報資産のリスク
情報資産が抱えるリスクとしては、以下のようなものがあります。
- データ漏洩:外部の不正アクセスや内部の不正行為による情報の流出。
- データの改ざん:悪意のある第三者によるデータの不正変更。
- システム障害:自然災害やハードウェアの故障による情報の消失。
- 内部不正:従業員による情報の不正利用や持ち出し。
これらのリスクは、企業の信用や経済的損失に直結するため適切な対策が必要です。例えば、顧客情報が漏洩した場合、企業の信用は一気に低下し、顧客からの信頼を失う可能性があります。また、システム障害により重要なデータが失われると業務の継続が困難になることもあります。
情報資産の保護と管理に必要なこと
情報資産の保護と管理には、以下の要素が重要です。
なるべく可視化すること
情報資産の可視化は、どの情報がどこに存在するかを明確にするための重要なステップです。可視化ツールを活用することで、情報の流れや保管場所を一目で把握でき、効率的な管理が可能となります。
また、可視化によって情報漏洩や不正アクセスのリスクを低減することができます。例えば、情報資産管理ソフトウェアを導入し、情報の存在場所やアクセス状況をリアルタイムに監視することが効果的です。
情報資産を把握すること
情報資産を把握することは、どの情報が企業にとって重要であるかを理解するために不可欠です。情報資産のリストを作成し、定期的に更新することで、常に最新の情報を管理できます。これにより、重要な情報の見落としを防ぎ、効率的な情報管理が可能となります。例えば、定期的な情報資産の棚卸しを行い、情報資産の状況を確認することが推奨されます。
取り扱い状況を把握すること
情報資産の取り扱い状況を把握することは、情報の流れや使用状況を監視するために重要です。情報の使用履歴やアクセスログを定期的に確認することで、不正なアクセスや利用がないかをチェックできます。
また、異常が発生した場合には、迅速に対処するための体制を整えておくことが求められます。例えば、情報資産のアクセスログを自動的に記録し、定期的に監査することで、異常を早期に発見することができます。
セキュリティポリシーの策定、周知すること
情報資産を適切に保護するためには、セキュリティポリシーを策定し全社員に徹底させることが必要です。セキュリティポリシーには、情報の取り扱い基準やアクセス制御、緊急対応の手順などが含まれます。定期的なセキュリティトレーニングを行い、全社員にポリシーの遵守を徹底させることで情報漏洩や不正アクセスのリスクを最小限に抑えることができます。例えば、全社員に対して定期的にセキュリティポリシーの確認テストを行い、ポリシーの理解度をチェックすることが有効です。
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