ラテラルムーブメントとは、一度侵入したネットワーク内で攻撃者が他のシステムやデータへと移動する行為を指します。この攻撃手法により攻撃者はより多くの情報を収集し、セキュリティ対策を迂回して目的を達成しようと試みます。今日の高度に接続されたデジタル環境において、ラテラルムーブメントは企業や組織のセキュリティ体制を脅かす重大な脅威の一つとなっています。

ラテラルムーブメントとは

ラテラルムーブメントは、サイバー攻撃者がネットワーク内の一点から別の点へと移動する技術です。攻撃者は最初に一箇所に侵入し、そこから内部のセキュリティ対策を回避しながら他のシステムへとアクセスを拡大していきます。この手法は機密情報へのアクセス、追加のシステムの侵害、そして標的となるネットワークの深部への潜入を可能にします。

ラテラルムーブメントの仕組みと手法

ラテラルムーブメントは、サイバー攻撃者がネットワーク内で横断的に移動し、権限を拡大していく過程を指します。この手法により、攻撃者は最初に侵入したシステムを起点として、組織内のさらに多くのリソースやデータにアクセスすることが可能になります。以下では、ラテラルムーブメントの具体的な仕組みと手法について、さらに詳しく解説します。

初期の侵害

攻撃の第一歩は、組織のネットワークへの侵入です。攻撃者はソフトウェアの脆弱性、フィッシングメール、悪意あるウェブサイトの訪問、または物理的なセキュリティの欠如を利用して、この初期侵入を達成します。一度侵入に成功すると、攻撃者はこの侵入点を基盤として、ネットワーク内でのさらなる活動を計画します。

偵察

ネットワーク内にアクセスした攻撃者は、次のターゲットを特定するために、環境の詳細な偵察を開始します。この段階では、内部ネットワークの構造、重要なサーバーの位置、利用可能な認証情報、およびセキュリティ対策の弱点などが調査の対象となります。この情報は後の攻撃フェーズでの戦略策定に不可欠です。

クレデンシャルハーベスティング

ネットワーク内部での移動を容易にするため、攻撃者はさまざまな手法を用いて認証情報を収集します。キーロガーやフィッシングメール、パスワードクラッキングツールなどを利用してユーザー名やパスワードを盗み出すことが目的です。この情報を手に入れることで、攻撃者は正規のユーザーとして行動し、セキュリティ対策を回避することが可能になります。

パスワードスプレー攻撃とブルートフォース攻撃

一般的なパスワードを使用して複数のアカウントに対するログイン試行を行う「パスワードスプレー攻撃」と、一つのアカウントに対してさまざまなパスワードを試す「ブルートフォース攻撃」は、ラテラルムーブメントの一環として頻繁に用いられます。これらの攻撃により、攻撃者は追加のアカウントへのアクセス権を得ることができます。

脆弱性の悪用

ネットワーク内で特定された脆弱性は、攻撃者によって積極的に悪用されます。既知の脆弱性を悪用するエクスプロイトや、ゼロデイ攻撃などがこの段階で利用されることがあります。これにより、攻撃者はセキュリティ対策を回避し、システムに深く侵入していきます。

持続性とデータ漏洩

ラテラルムーブメントの最終目的は、ネットワーク内での持続的なアクセス権を確立することにあります。攻撃者はバックドアの設置、マルウェアの展開、またはレジストリの変更などを通じて、長期間にわたってアクセスを維持します。この潜伏期間中に、攻撃者は機密データの収集や追加の攻撃の準備を行います。

ラテラルムーブメントへの対策は、包括的なセキュリティ対策の実装と、従業員教育の強化によって成し遂げることが可能です。組織は、攻撃の初期段階での検出と対応、脆弱性の迅速な修正、強力な認証プロセスの導入、そしてネットワークセグメンテーションの実施を通じて、ラテラルムーブメントのリスクを最小化することが求められます。

ラテラルムーブメントの対策方法

ラテラルムーブメントに対する対策方法は、企業や組織が直面する複雑なセキュリティ脅威を軽減するために不可欠です。ここでは、ラテラルムーブメントのリスクを最小限に抑えるための対策をご紹介します。

EDRなどのセキュリティ製品の導入

エンドポイント検出および対応(EDR)技術は、不審な行動や攻撃の兆候をリアルタイムで検出し、自動的に対応することができる先進的なセキュリティソリューションです。EDRシステムは、エンドポイントであるデバイスの活動を監視し、異常な挙動を検出するとすぐに警告を発します。これにより、攻撃者がラテラルムーブメントを実行する前に、侵入を阻止または検出することが可能になります。また、EDRソリューションは、攻撃の痕跡を追跡し、事後分析を提供することで、将来的な脅威に対する防御策を改善するのに役立ちます。

アクセス制御の強化

アクセス制御の強化は、不正なアクセスを防ぎ、ラテラルムーブメントのリスクを減少させる重要な手段です。これには、最小権限の原則(Principle of Least Privilege, PoLP)の適用が含まれます。各ユーザーやシステムには、その業務遂行に必要な最小限のアクセス権のみが与えられるべきです。また、マルチファクタ認証(MFA)の導入は、パスワードだけに依存することのリスクを減らし、セキュリティレベルを高めます。アクセス権の定期的なレビューと調整により、不要になったアクセス権を削除し、権限の過剰な蓄積を防ぎます。

情報セキュリティ教育の重要性

セキュリティ意識の向上と従業員教育は、ラテラルムーブメントを含むさまざまなサイバー攻撃に対する防御の最前線です。従業員がフィッシングメールを見分け、不審なリンクや添付ファイルを開かないよう教育することが重要です。また、安全なパスワードの作成、定期的なパスワードの変更、不審な活動の報告プロセスの理解など、基本的なセキュリティプラクティスの徹底も必要です。教育プログラムを通じて従業員のセキュリティ意識を高めることで、組織全体のセキュリティ体制を強化することができます。

ラテラルムーブメントは、組織が直面する複雑で高度な脅威の一つです。セキュリティ対策の継続的な見直しと強化、従業員教育、そして最新のセキュリティ技術の導入により、これらの攻撃に効果的に対処することが可能になります。企業や組織は、内部ネットワークの保護だけでなく、攻撃の兆候を早期に検出し、迅速に対応する能力を高めることが重要です。

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