2025年12月2日、北海道大学大学院情報科学研究院で、過去に所属した学生106人分の個人情報が持ち去られた可能性が判明した。
発端は研究院内の研究室で、所属学生が見知らぬ学生風の20代と思われる男性がユーザー認証済みのパソコンを操作しているのを発見。
男性は問い詰められると、「パソコンの持ち主から忘れ物を取ってきてほしいと頼まれた」と説明し、そのまま退室したという。
しかし、そのような依頼は事実無根だった。
後日の調査で、パソコンに共有されていた電子ファイルがダウンロードされた痕跡と、USBメモリの接続ログが残っていることが判明した。
持ち去られたとみられているファイルには、2005年から2024年度までの卒業・修了・中退生の年度、氏名、学位、就職先などのデータが記載されており、対象は106名分に上るとされている。
公表時点で侵入者の特定は進んでおらず、警察による捜査が続いている状況とのこと。
同研究院は「個人情報の適切な取り扱いを徹底してきたが、このような事態を重大な問題と認識し、関係者に深くお詫びする」とし個人情報保護委員会への報告。
再発防止策として、ファイルへのパスワード付与、研究室の常時施錠、パソコンのロック強化、共有ドライブの権限見直しなどを全構成員に周知徹底する方針を示している。

