信州大学の事務職員10年にわたり横領か 後援会費など不正

「信州大学」は2025年11月10日、同大学人文学部で事務補佐を担当していた50代の非常勤職員の女性を懲戒解雇処分した。
女性は約10年にわたり、学部の後援会費を不正に扱っていたとみられ、大学は松本警察署に刑事告発した。

大学によると、女性は勤務時間外に人文学部後援会(学部運営を支援する団体)の事務を1名で担当し、会費管理や決算書類の作成を行っていた。
2024年7月中旬に開催された後援会役員会で、前年度決算に関する説明ができず、決算書を取り下げたことをきっかけに役員が疑念を抱き、学部で調査が始まった。

調査の結果、2014年度から2023年度までの期間に、学生課外活動援助費(学生の文化・スポーツ活動を支援する制度)の申請書類や領収書を偽造し、不正な会計処理を繰り返していたことが判明。
大学側は、相当額の後援会費が横領されたと判断している。
また、教員名義を用いた偽造書類も確認されたという。

大学が本人に説明を求めたが、体調不良を理由に回答はなく、2024年7月以降は出勤していなかった。
信州大学は行為が国立大学法人信州大学非常勤職員就業規則の懲戒事由に該当するとして、2025年11月7日付で懲戒解雇とした。
警察の捜査に支障が出るとして、氏名や被害額は公表されていない。
大学は「深く遺憾に思う」とし、教職員への法令遵守の徹底を図り、信頼回復に努めるとコメントしている。

【参考記事】
https://www.shinshu-u.ac.jp/

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