2025年10月7日、早稲田大学文化構想学部の「英語学位プログラム」入試で情報流出が発生。
英語外部試験(IELTSおよびTOEFL iBT)の成績証明書番号がウェブサイト上で公開され、個人情報が閲覧可能な状態になっていたという。
影響を受けたのは計3,418名にのぼる。
早稲田大学では、入試の出願時に提出が必要な英語試験のスコアが大学に届いたかどうかを、受験生が自分で確認できるようにするため、ウェブサイトに「スコアが大学に届いた人の一覧」を公開していた。
ところが、この一覧に掲載されていた「確認用の番号」を使うと、試験運営団体のウェブサイト上で受験者の氏名や生年月日、顔写真、試験結果などの詳細を確認できる状態だったことが分かった。
問題が確認されたのは次の2つのケース。
1つ目は「IELTS」という国際的な英語能力試験で、2023年10月以降にスコアを大学に送った受験者2,641名分の番号が公開されていた。情報が見られる状態だったのは2025年8月29日から9月9日まで。
2つ目は「TOEFL iBT」という英語試験で、2019年度以降に同プログラムを受験した777名分の番号が公開されていた。こちらは2018年から2025年9月まで、長期間にわたり掲載されていたという。
問題は学内からの指摘で発覚している。
大学によると、番号を公開したのは「受験生が安心してスコア到着を確認できるように」との目的だったが、その番号を通じて外部サイトで個人情報が閲覧できるとは把握していなかったという。
現在はウェブサイトからすべての情報を削除されており、第三者が実際に個人情報を閲覧または利用した形跡も確認されていないと説明されている。
大学は「外部サイトの仕組みやリスクを十分に理解していなかった」として、今後は個人が特定できる情報を原則として公開しない方針を示した。
また、教職員向けに情報管理の教育を強化し、外部システムを利用する際には仕様を十分に確認する体制を整えるという。