デジタル社会で生きる私たちにとって、ランサムウェアは無視できない脅威となっています。この記事では、ランサムウェアがどのようにして私たちのデバイスに侵入するのか、そしてもし感染してしまった場合にどのような被害が想定されるのか、さらにはそのような事態を未然に防ぐための対策について、わかりやすく解説していきます。

ランサムウェアとは

ランサムウェアは、被害者のデータを暗号化してアクセス不能にし、復号のための身代金を要求するマルウェアの一種です。この種の攻撃は、中小企業から大企業、さらには政府機関に至るまで広範囲にわたるターゲットに影響を及ぼす可能性があります。

ランサムウェアの被害に遭った場合、重要なファイルやシステムへのアクセスが失われ事業継続が不可能な状態になる可能性があります。また、身代金を支払ったとしても、データが必ずしも復元されるわけではありません。

ランサムウェアに感染した場合の想定される被害

ランサムウェアに感染すると、データの暗号化、個人情報や機密情報の漏洩、システムの完全な停止など、多岐にわたる被害が発生します。特に、重要なビジネス文書や顧客情報が暗号化された場合、その影響は計り知れません。さらに、攻撃者による二重の脅迫つまりデータを公開するという追加の脅迫により、企業の信用失墜や法的な問題に直面する可能性もあります。

ランサムウェア感染経路の一般的なパターン

ランサムウェアの感染経路は多岐にわたり、メールの添付ファイルや不正なリンク、偽装されたWebサイト、ダウンロードしたソフトウェアやファイル、外部メディアからの感染などがあります。最近ではSNSリンクを通じた感染や、VPN機器の脆弱性を狙った攻撃も増えています。

警察庁が公表した「令和5年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」にて
ランサムウェアの感染経路について最も多い感染経路(有効回答49件)としては、

・VPN機器からの侵入が35件で71%

・リモートデスクトップからの侵入が5件で10%

となっており、テレワーク等に利用される機器等の脆弱性や強度の弱い認証情報等を利用して侵入したと考えられるものが82%と大半を占めた。

参照元:警察庁「令和5年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について

WEBサイトやプラグインの脆弱性による感染

偽装されたWebサイトや脆弱性のあるプラグインからの感染は、ユーザーが気づかぬうちに発生します。正規サイトを模倣したミラーサイトや正規サイトが改ざんされるケースもあり、ユーザーは高い警戒心を持つ必要があります。

メールの添付ファイルやリンクを経由することによる感染

メールを介した感染は最も一般的な手法の一つです。攻撃者は不審なメールを大量にばらまき、添付ファイルやリンクをクリックさせることでマルウェアを配布します。これらのメールは巧妙に偽装されており、一見すると普通のメールに見えるため特に注意が必要です。

ソフトウェアやファイルのダウンロードによる感染

信頼できないソースからのソフトウェアやファイルのダウンロードも、ランサムウェア感染の一般的な経路です。特にフリーソフトウェアや海外の不審な企業のソフトウェアは、ランサムウェアが仕込まれている可能性があります。

VPN機器の脆弱性を狙った感染

VPN機器の脆弱性を悪用した攻撃は、テレワークの普及に伴い増加しています。攻撃者は、脆弱性を突いて内部ネットワークへ侵入し、ランサムウェアを拡散させます。

USBメモリなどのリムーバブルメディアの接続による感染

USBメモリなどのリムーバブルメディアを介した感染も一般的です。これらのメディアには、知らず知らずのうちにマルウェアが仕込まれており、PCに接続することで感染が発生します。

主なランサムウェア対策

ランサムウェアから身を守るためには、複数の対策が必要です。

セキュリティソフトの導入

EDR(Endpoint Detection and Response)をはじめとしたセキュリティソフトの導入が非常に効果的です。リアルタイムでの監視と定期的なスキャンにより、マルウェアの侵入を防ぎます。 当社が提供しているSentinelOne EDRではロールバック機能が備わっているため、もしもの時もクリック1つで感染前に戻すことが可能です。

定期的にデータのバックアップを行う

データの定期的なバックアップは、万が一のデータ損失に備える最も効果的な方法です。外部ドライブやクラウドサービスを利用して、重要なデータのバックアップを取ることをお勧めします​​。

従業員のセキュリティ意識向上のためのトレーニングを行う

従業員に対するセキュリティ意識の向上は、組織全体のセキュリティレベルを高める上で重要です。フィッシングメールの見分け方や、安全なウェブ閲覧の方法などを定期的に教育することが有効です​​。

不審なアプリケーションは実行しない

不審なアプリケーションの実行は避け、信頼できるソースからのみソフトウェアをダウンロードしインストールすることが重要です。特に、無料のソフトウェアや未知の開発者からのソフトウェアには注意が必要です​​。

OSやソフトウェアを常に最新の状態にしておく

OSやアプリケーションを常に最新の状態に保つことは、セキュリティ対策の基本中の基本です。ソフトウェアの脆弱性は攻撃者にとって主な侵入口の一つであり、これを塞ぐことが重要です。定期的なアップデートは、新たに発見された脆弱性を修正し、攻撃者が利用することを防ぎます。

ランサムウェアの脅威に直面した際には、上記の対策だけでなく、専門のセキュリティ機関やプロバイダーに相談することも重要です。また、ランサムウェアに関する最新の情報に常に注意を払い、予防策を講じることで、リスクを最小限に抑えることができます。 ランサムウェアは、個人や企業にとって深刻な脅威をもたらしますが、適切な知識と対策を講じることで、そのリスクを大幅に軽減することが可能です。この記事が、ランサムウェアの理解と対策の手引きとなり、読者の皆様が安全なデジタルライフを送るための一助となれば幸いです。

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