API(アプリケーションプログラミングインターフェース)は、現代のデジタルサービスやアプリケーションを支える重要な技術の一つです。しかし、APIの利用が進む一方で、管理が不十分な「シャドウAPI」の存在が深刻なセキュリティリスクとして浮上しています。シャドウAPIとは、組織が管理や監視の対象にしていないAPIを指し、セキュリティやガバナンスの盲点となり得ます。本記事では、シャドウAPIの概要、発生原因、リスク、具体的な対策までを詳しく解説します。

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シャドウAPIとは?

シャドウAPIとは、組織内で利用されているAPIのうち、公式には認識されていないか、管理や監視の対象外となっているAPIを指します。この用語は「シャドウIT」と同様に、組織が把握していないシステムやツールが業務に使われている状況を示します。シャドウAPIは、開発者が新しい機能を素早く実装するために使用したものや、テスト目的で作成されたが削除されずに残っているAPIなどが該当します。

これらのシャドウAPIは、しばしばセキュリティ対策が不十分なまま運用されており、攻撃者にとって格好の標的となります。特に、外部に公開されているAPIや、組織内で誰もが利用可能なAPIがシャドウAPIとなっている場合、そのリスクはさらに高まります。

シャドウAPIが発生する背景

シャドウAPIが発生する背景には、いくつかの要因が存在します。

1. API開発のスピード重視

現代のソフトウェア開発はアジャイル開発やDevOpsなど、迅速なリリースサイクルが求められています。その結果、セキュリティや管理の優先度が下がり、テスト中や暫定的な目的で作成されたAPIがシャドウAPIとして残ることがあります。

2. コミュニケーション不足

開発チーム、セキュリティチーム、運用チーム間でのコミュニケーションが不足している場合、APIの利用状況や存在を共有できず、シャドウAPIが生まれる原因となります。

3. ガバナンスの欠如

APIを一元的に管理する仕組みがない場合、誰がどのAPIを作成し、使用しているかが不明確になります。このようなガバナンスの欠如は、シャドウAPIの温床となります。

4. テクノロジーの進化

サーバーレスアーキテクチャやマイクロサービスの普及により、APIの作成が容易になっています。しかし、これに伴い、管理の網をすり抜けるAPIが増加しています。

シャドウAPIのリスクと影響

シャドウAPIは、多くのセキュリティリスクと業務上の問題を引き起こす可能性があります。

1. セキュリティリスクの増加

シャドウAPIは、適切な認証や暗号化が施されていない場合が多く、攻撃者による不正アクセスやデータ漏洩のリスクを高めます。特に、個人情報や機密情報を扱うAPIがシャドウAPI化している場合、その影響は深刻です。

2. ガバナンスの低下

シャドウAPIが存在することで、組織内での一貫性のあるAPI管理が困難になります。これにより、セキュリティインシデント発生時の対応が遅れる可能性があります。

3. コンプライアンス違反

GDPRやCCPAなど、データ保護規制を遵守するためには、APIを適切に管理し、データの取り扱いを監視する必要があります。シャドウAPIは、このような規制を遵守する上での障害となり得ます。

4. パフォーマンス問題

無駄なAPI呼び出しや、古いAPIの利用が原因でシステム全体のパフォーマンスが低下することがあります。

シャドウAPIへの対策

シャドウAPIを防ぎ、リスクを軽減するためには、以下のような具体的な対策が必要です。

🟢API管理プラットフォームの導入

API管理プラットフォームを使用して、すべてのAPIを一元的に管理し、監視する体制を構築します。これにより、シャドウAPIの発生を未然に防ぐことが可能です。

🟢セキュリティポリシーの確立

APIの作成、テスト、運用において、セキュリティポリシーを策定し、これを全てのチームが遵守することを徹底します。また、開発者への教育も重要です。

🟢定期的な監査

すべてのAPIを定期的に監査し、未登録のAPIや非アクティブなAPIを特定します。このプロセスを通じて、シャドウAPIを排除できます。

🟢アクセス制御と暗号化

APIに対して厳格なアクセス制御を実施し、トラフィックの暗号化を徹底することで、攻撃者による不正利用を防ぎます。

シャドウAPIは、現代のAPI駆動型のシステムにおいて見過ごされがちな重大なリスクです。本記事では、シャドウAPIの定義や発生原因、リスク、具体例、対策について詳しく解説しました。組織がAPIを効果的に管理し、セキュリティを確保するためには、シャドウAPIを放置しないことが重要です。一元的なAPI管理、定期的な監査、セキュリティポリシーの策定など、適切な対策を講じることで、シャドウAPIによるリスクを最小限に抑えることができます。

📚関連記事:シャドーITとは?概要と実例、対策をわかりやすく解説!

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未知の攻撃にも対応できるセキュリティツールの導入

サイバー攻撃に対処するためには、最新のセキュリティツールの導入が不可欠です。特に、ランサムウェアやゼロデイ攻撃に対しては、従来のウイルス対策ソフトでは不十分であり、AIを活用したEDR(Endpoint Detection and Response)や次世代ファイアウォールの導入が効果的です。これらのツールは、未知の脅威にも迅速に対応でき、攻撃が発生する前にシステムを保護することが可能です。

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セキュリティについて従業員教育を行う

サイバー攻撃対策を効果的に実行するためには、技術的なツールの導入だけでなく、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めることも重要です。多くのサイバー攻撃は、従業員の不注意や不正な操作によって引き起こされるケースが少なくありません。特に、フィッシングメールや悪意のあるリンクをクリックしてしまうことによる情報漏えいは防止可能なものです。定期的なセキュリティ研修やシミュレーションを行うことで、従業員が最新の攻撃手法を理解し、適切な対応を取れるようになります。

セキュリティ対策のガイドラインを策定する

効果的なセキュリティ対策を実施するためには、企業ごとに具体的なセキュリティガイドラインを策定することが求められます。このガイドラインでは、データの取扱い方法、アクセス権の設定、アプリケーションの使用制限など、業務に関連するセキュリティポリシーを明確に定義します。従業員が守るべきセキュリティ基準を文書化することで、全員が一貫したセキュリティ対策を実施できる環境を構築します。

また、ガイドラインを定期的に見直し、最新のサイバー攻撃手法に対応するために必要な変更を加えることも重要です。企業の業務内容や使用する技術の変化に応じて、適切にセキュリティポリシーを更新することで、サイバー攻撃に対する防御力を維持できます。

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