リスクウェア(Riskware)は、一般的には有益な目的で使用されるソフトウェアでありながら、特定の条件下でサイバーセキュリティ上のリスクをもたらす可能性があるソフトウェアを指します。企業や個人が使用するさまざまなアプリケーションの中には、その設計や機能によって攻撃者に悪用される可能性があるものが含まれています。このようなリスクウェアは、すぐに被害を引き起こすわけではないものの、攻撃者が巧妙に利用することで重大なセキュリティインシデントを誘発することがあります。

本記事では、リスクウェアの基本的な定義から、その潜在的なリスク、具体的な事例、そしてそれに対処するための最適な防御策について詳しく解説します。

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リスクウェアとは?

リスクウェアとは、合法的な目的で使用されるソフトウェアの中で、不適切に構成されたり、特定の機能が悪用されたりすることでセキュリティリスクを引き起こす可能性があるものを指します。このソフトウェアは、一般的に悪意のあるプログラム(マルウェア)とは異なり、合法的に配布され、通常は無害です。しかし、攻撃者がそれを利用してネットワークやシステムへの不正アクセスを試みたり、機密情報を盗み取ったりすることが可能です。

例えば、リモート管理ツールやファイル共有アプリケーション、システム最適化ツールなどがリスクウェアに該当する場合があります。これらのソフトウェアは、本来の目的では有用である一方で、設定ミスやセキュリティ上の欠陥が存在すると攻撃者の標的になるリスクがあります。

⚠️リスクウェアがもたらすリスク

リスクウェアの存在は、以下のようなセキュリティ上の問題を引き起こす可能性があります。

セキュリティインシデントの拡大
リスクウェアを利用して攻撃者がネットワーク内に侵入すると、そこからさらに他のシステムやデバイスに攻撃が波及することがあります。

不正アクセスのリスク
リモート管理ツールなどは、攻撃者が侵入経路として利用することができます。例えば、弱いパスワードやデフォルトの設定を変更せずに使用している場合、第三者に不正にアクセスされるリスクがあります。

データ漏洩のリスク
ファイル共有ソフトウェアやクラウドストレージアプリが誤って公開設定になっている場合、機密情報が外部に漏洩する可能性があります。

悪意あるコードの実行
正規のソフトウェアに見せかけて配布されたリスクウェアが、攻撃者によってカスタマイズされ、マルウェアとして機能する場合があります。

リスクウェアとマルウェアの違い

リスクウェアは、一般的なマルウェアと異なり、基本的には合法的な目的で作られたソフトウェアです。例えば、システム管理ツールやファイル共有アプリケーションなど、企業や個人で幅広く利用されるソフトウェアが含まれます。しかし、これらが攻撃者によって悪用されることで、結果的にセキュリティリスクを引き起こす点がリスクウェアの特徴です。

一方、マルウェアは最初から攻撃目的で作成されるものであり、その設計段階から不正アクセスやデータ漏洩などの悪意ある目的を持っています。このように、リスクウェアとマルウェアには根本的な目的の違いがありますが、両者が引き起こす被害は同じくらい深刻になる可能性があるため、同等の注意が必要です。

リスクウェアへの対策

🟢ソフトウェアの選定と管理

リスクウェアのリスクを軽減するためには、まず使用するソフトウェアを慎重に選定することが重要です。信頼性の高い開発元から提供されているソフトウェアを選び、可能であればセキュリティレビューを実施して、安全性を確認することが推奨されます。また、使用していないソフトウェアや不要な機能は削除し、システムをできるだけシンプルに保つことも効果的です。

🟢適切な設定と更新

ソフトウェアの導入後は、適切な設定と定期的な更新を行うことが重要です。特に、初期設定のままで使用することは避け、必要に応じてセキュリティ設定を強化します。また、最新のバージョンにアップデートすることで、既知の脆弱性を修正することができます。

🟢セキュリティ教育

組織全体でセキュリティ意識を高めるための教育プログラムを実施することも効果的です。リスクウェアに関する知識を従業員に普及させ、不審なソフトウェアや動作に気付けるスキルを育成することで、リスクを未然に防ぐことが可能です。

サイバー攻撃対策をするなら

未知の攻撃にも対応できるセキュリティツールの導入

サイバー攻撃に対処するためには、最新のセキュリティツールの導入が不可欠です。特に、ランサムウェアやゼロデイ攻撃に対しては、従来のウイルス対策ソフトでは不十分であり、AIを活用したEDR(Endpoint Detection and Response)や次世代ファイアウォールの導入が効果的です。これらのツールは、未知の脅威にも迅速に対応でき、攻撃が発生する前にシステムを保護することが可能です。

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セキュリティについて従業員教育を行う

サイバー攻撃対策を効果的に実行するためには、技術的なツールの導入だけでなく、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めることも重要です。多くのサイバー攻撃は、従業員の不注意や不正な操作によって引き起こされるケースが少なくありません。特に、フィッシングメールや悪意のあるリンクをクリックしてしまうことによる情報漏えいは防止可能なものです。定期的なセキュリティ研修やシミュレーションを行うことで、従業員が最新の攻撃手法を理解し、適切な対応を取れるようになります。

セキュリティ対策のガイドラインを策定する

効果的なセキュリティ対策を実施するためには、企業ごとに具体的なセキュリティガイドラインを策定することが求められます。このガイドラインでは、データの取扱い方法、アクセス権の設定、アプリケーションの使用制限など、業務に関連するセキュリティポリシーを明確に定義します。従業員が守るべきセキュリティ基準を文書化することで、全員が一貫したセキュリティ対策を実施できる環境を構築します。

また、ガイドラインを定期的に見直し、最新のサイバー攻撃手法に対応するために必要な変更を加えることも重要です。企業の業務内容や使用する技術の変化に応じて、適切にセキュリティポリシーを更新することで、サイバー攻撃に対する防御力を維持できます。

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