PSIRT(Product Security Incident Response Team)は、製品のセキュリティインシデントに対応する専門チームです。近年、サイバー攻撃の増加や製品の複雑化に伴い、製品のセキュリティ対策は企業にとって重要な課題となっています。PSIRTは、製品のライフサイクル全体を通じてセキュリティリスクを管理し、インシデントの発生時には迅速に対応する役割を担っています。

本記事では、PSIRTの概要とその活動内容、そしてCSIRT(Computer Security Incident Response Team)との違いについて詳しく解説します。

PSIRT(ピーサート)とは

PSIRT(Product Security Incident Response Team)とは、製品に関連するセキュリティインシデントに対応する専門チームです。PSIRTは、製品の設計、開発、製造、配布、運用中に発生するセキュリティ上の問題を特定し、評価し、対処することを目的としています。近年、サイバー攻撃の脅威が増大し、製品のセキュリティが企業にとって重要な課題となる中、PSIRTの役割はますます重要になっています。

PSIRTの活動内容/業務範囲

PSIRTの主な活動内容には以下の3つの分野があります。

インシデントへの事前対応

製品の開発段階からセキュリティリスクを軽減するため、PSIRTは脆弱性評価やセキュリティレビューを実施します。このプロセスは、セキュリティホールを事前に特定し修正するために重要です。

インシデント発生時の対応

PSIRTは、セキュリティインシデントが発生した際に迅速に対応し、問題の解決に努めます。具体的には、インシデントの分析、原因の特定、修正プログラムの開発、および影響を受けた顧客への情報提供が含まれます。

製品のセキュリティ強化

PSIRTは、インシデントから得た教訓を活かし、将来の製品のセキュリティを強化するための改善策を導入します。これには、セキュリティ標準の策定や従業員のトレーニングも含まれます。

PSIRTの設置が求められる背景

PSIRTの設置が求められる背景には、製品の複雑化とサイバー攻撃の高度化があります。現代の製品は多くのソフトウェアとハードウェアのコンポーネントで構成されており、それぞれがセキュリティリスクを内包しています。特にIoT製品の普及により、ネットワークに接続されたデバイスが増加し、攻撃の対象が広がっています。また、攻撃者の手法も高度化しており、従来のセキュリティ対策だけでは不十分です。これらの背景から、企業は製品のセキュリティを専門に担当するPSIRTを設置する必要があります。

CSIRTとの違い

PSIRTとCSIRT(Computer Security Incident Response Team)は似た役割を持つように見えますが、その焦点と活動範囲には明確な違いがあります。

CSIRTは主に組織内部のITシステムやネットワークのセキュリティインシデントに対応するのに対し、PSIRTは製品そのもののセキュリティに特化しています。CSIRTは広範なセキュリティ対策を講じる一方で、PSIRTは製品のライフサイクル全体を通じて継続的にセキュリティを監視し、改良する役割を担っています。

PSIRTの体制を確立するには

脆弱性管理体制

PSIRTを効果的に運用するためには、まず脆弱性管理体制を整えることが必要です。脆弱性の早期発見と迅速な修正を可能にするために、継続的なセキュリティテストと脆弱性評価が求められます。これには、脆弱性データベースの活用やセキュリティツールの導入が含まれます。

製品開発プロセスの構築

セキュアな製品を開発するためには、開発プロセス自体にセキュリティを組み込むことが重要です。具体的には、セキュアコーディングガイドラインの策定やセキュリティレビューの実施、そして開発者へのセキュリティ教育が挙げられます。

製品サポートの提供方法の検討

PSIRTは、製品のリリース後も継続的にサポートを提供する必要があります。これは、セキュリティパッチの提供やユーザーへのセキュリティ情報の共有を通じて実現されます。顧客からのセキュリティ報告を受け付ける窓口の設置も重要です。

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