この記事では、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)の基本的な役割とその組織における重要性について詳しく解説します。サイバーセキュリティの脅威が増加する中、CSIRTの重要性はますます高まっています。企業や組織が直面する様々なサイバーセキュリティの課題を理解し、効果的な対応策を講じるためには、CSIRTの役割を深く理解することが不可欠です。

■ CSIRT(Computer Security Incident Response Team)とは?

ここでは、CSIRTの定義、主要な機能、および組織内で果たす役割について詳しく説明します。CSIRTは、インシデントの識別から対応、回復までを担い、セキュリティ侵害の影響を最小限に抑えるための重要な任務を担います。

①CSIRTの定義と役割

CSIRT(Computer Security Incident Response Team)は、サイバーセキュリティのインシデントに対処するために設置される専門チームです。主要な任務として、インシデントの識別、分析、対応、回復のプロセスが含まれます。例えば、悪意のあるソフトウェアの感染やデータ侵害などの事態が発生した場合、CSIRTは迅速にこれらの問題に対応し、損害を最小限に抑えるための措置を行います。

②CSIRTの組織内での位置づけ

CSIRTは、通常、情報技術部門やセキュリティ管理部門に設置されますが、その役割は組織の規模や業種によって異なります。大企業では、専門のセキュリティチームがCSIRTの役割を担い、一方で中小企業では、IT部門のメンバーがこの役割を兼務することがあります。

③CSIRTの重要性と必要性

サイバー脅威の増加に伴い、CSIRTの重要性はますます高まっています。インシデントの発生は、企業の運営に甚大な影響を及ぼす可能性があり、CSIRTはこれらのリスクを管理し、セキュリティ侵害の影響を最小限に抑える重要な役割を担います。

■ CSIRTの運営と業務実践

CSIRTの運営には、明確な方針、効果的なプロセス、適切なリソースの配置が必要です。ここでは、CSIRTの設置プロセス、日常的な業務、インシデント対応の流れ、および組織内外との連携について説明します。また、実際のインシデント発生時にCSIRTがどのように機能するかについても詳しく掘り下げます。

①CSIRTを設置すると何が変わるのか

CSIRTを設置することで、組織はインシデント対応の準備と能力を大幅に向上させることができます。具体的には、インシデント発生時に迅速かつ効果的に対応するためのプロセス、ポリシー、および手順が確立されます。

②CSIRT設置までのステップ

CSIRTを設置するには、計画的かつ段階的なアプローチが必要です。各ステップは、組織のセキュリティニーズを満たすための重要な基盤となります。

ニーズ分析: 組織のセキュリティニーズを評価し、CSIRTの目的と目標を明確にします。
リソース確保: 必要な人員、技術、および予算を確保します。
ポリシーとプロセスの開発: インシデント対応の手順、報告ライン、および通信プロトコルを策定します。
トレーニングと意識向上: CSIRTメンバーおよび組織全体に対して、適切なトレーニングと意識向上プログラムを実施します。
運用の開始と評価: CSIRTの運用を開始し定期的にその効果と効率を評価します。インシデント対応の練習、シミュレーション、フィードバックの収集が重要です。

③インシデント対応

CSIRTは、インシデント発生時に以下のようなステップで対応します: 識別: インシデントを迅速に特定し、その範囲を評価します。 封じ込め: インシデントの影響を限定し、さらなる被害を防ぎます。 根絶: インシデントの原因を特定し、対処します。 回復: 正常な業務への復旧を行います。 事後分析: インシデントから学び、将来の対策を強化します。

④脅威情報の収集と分析手法

CSIRTは、様々な情報源から脅威情報を収集し、それを分析して組織に適用します。これには、オープンソースのインテリジェンス、産業界のパートナーシップ、政府機関からの情報などが含まれます。

➄CSIRTと他部門との協力方法

CSIRTは、リスク管理、法務、人事などの他の部門と協力し、組織全体のセキュリティを強化します。また、外部の専門家や他のCSIRTとの連携も重要です。

■ 自治体でも設置されているCSIRT

自治体レベルでのCSIRT(Computer Security Incident Response Team)の設置が進んでいます。自治体CSIRTは、地方自治体特有のニーズに対応し、地域社会のサイバーセキュリティを強化するために重要な役割を果たしています。

①自治体CSIRTの役割

自治体CSIRTは、主に地方自治体の情報システムやインフラに影響を与えるサイバー脅威から保護する責任を担います。彼らの主な任務は、自治体内のサイバーセキュリティインシデントの識別、評価、対応、そして回復を行うことです。自治体が扱う個人情報や機密情報の保護が特に重要であり、これらの情報がサイバー攻撃によって侵害されることは、市民の信頼と自治体の運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

②自治体CSIRT設置の重要性

自治体は、市民の個人情報を含む多くの重要なデータを保有しており、サイバー攻撃の標的となりやすいです。自治体CSIRTの設置により、これらの情報のセキュリティを強化し、市民の信頼を維持することができます。また、自治体CSIRTは地域の教育機関や中小企業など、コミュニティ全体のサイバーセキュリティ意識の向上にも貢献します。

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