企業や組織がオンラインで直面するリスクの中には、「F5アタック(リロード攻撃)」という比較的簡単に実行可能な攻撃方法があります。この攻撃は、Webサーバーに対して大量のデータリクエストを意図的に送信し正常なサービスの提供を妨害します。

この記事ではF5アタックの概要とその対策方法について詳しく解説していきます。

F5アタック(リロード攻撃)とは?DoS攻撃の一種?

F5アタック(リロード攻撃)はWebサイトのリロード機能を悪用することでサーバーに異常な負荷をかける攻撃です。ユーザーがF5キー(リフレッシュキー)を連続して押すことで、過剰なアクセスリクエストがサーバーに送信され、正常なサービス提供が困難になります。これはDoS攻撃(サービス拒否攻撃)の一種であり、サービスの中断を目的としています。

F5アタック(リロード攻撃)はDoS攻撃の中でも特にシンプルな方法に分類されます。インターネットの普及により、WEBサービスへのアクセスが増加し、それに伴いWEBサーバーへのリクエスト処理負荷も増大しています。攻撃者はこの点を悪用し、短期間に大量のリクエストを送信することでサーバーの処理能力を超えさせ、サービスを停止に追い込みます。

F5アタックで想定される被害

F5アタックによる最も直接的な被害はサービスの一時的な停止です。WEBサーバーがリクエストの処理過多により応答不能となり、正常な利用者がサービスを利用できなくなる事態が発生します。これにより、オンラインビジネスや情報提供サービス等の運用に支障をきたすだけでなく、顧客の信頼を失う原因ともなります。

サービスが長時間にわたって停止することで、ビジネスの収益損失だけでなく、ブランドイメージの損傷も懸念されます。特に金融機関やECサイトのように、高い可用性が求められる業種では、顧客の信頼を失い、それが直接的な経済損失につながる可能性があります。

F5アタックが脅威である理由

誰でも容易に攻撃できる

F5アタックの最大の脅威は、その実行の容易さにあります。特別な技術知識を必要とせず、通常のウェブブラウジングが可能な任意のユーザーが攻撃を行うことができるため、不特定多数によるランダムな攻撃が発生しやすいのです。

インターネット上では、自動化ツールやスクリプトが簡単に入手可能で、これを使用することで一個人でも短時間に大規模なリロード攻撃を実行できます。これにより、企業だけでなく、学校や政府機関など、様々な組織がリスクにさらされます。

大規模な攻撃は防ぐことが難しい

F5アタックは一箇所からではなく、全世界の多くの異なる地点から同時に発生することがあります。これにより、どのリクエストが正当なものか、どれが攻撃によるものかを判別することが難しくなります。

現代のウェブアーキテクチャは多層的で複雑なため、単一の防御策だけでは不十分です。攻撃を効果的に防ぐためには、複数の防御層を組み合わせた総合的なセキュリティ戦略が必要とされます。

F5アタックの対策

特定のIPからの連続したアクセス(リロード)を遮断する

アクセス制御技術を用いて、異常な頻度やパターンでアクセスを試みるIPアドレスを自動的に識別し、アクセスを遮断するシステムが有効です。これにより、悪意のあるトラフィックを効果的にフィルタリングし、サーバーへの負荷を軽減します。

リアルタイムでのトラフィック監視と分析を行うことで、通常とは異なるアクセスパターンを迅速に検出し、即座に対応を取ることが可能です。これは、攻撃の初期段階で対処するために特に重要です。

WAFを導入する

WAFは、特定の種類のインターネットトラフィックをブロックすることでウェブアプリケーションを保護します。リロード攻撃のような明らかな不正アクセス試みを検出し、それを遮断することができます。

WAFは、リロード攻撃以外にもクロスサイトスクリプティングやSQLインジェクションなどの脅威からも保護するため、ウェブベースのサービスを運用する企業にとって必須のセキュリティ対策と言えます。

ネットワークリソースを監視/検知する

サーバーとネットワークの状態を常に監視し、異常があれば即座に警告を発するシステムを導入することが重要です。これにより、不正アクセスや過負荷の状態を早期に検出し、迅速な対応を取ることができます。

収集したデータを分析し、正常なアクセスパターンと異常なアクセスパターンを識別することが可能です。この分析により、セキュリティポリシーの改善や効果的な防御策の開発につながります。

従業員に対してセキュリティリスクを周知する

従業員に対する定期的なセキュリティ教育と訓練を実施することで、リロード攻撃を含む様々なセキュリティリスクに対する認識を高めることができます。教育プログラムでは、攻撃の兆候や適切な対応方法を学ぶことが重要です。

セキュリティのベストプラクティスを社内に浸透させることで、従業員一人ひとりがセキュリティの重要性を理解し、日々の業務においても適切なセキュリティ対策を講じることが期待されます。

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