WEBサイトの安全性は現代のビジネスにとって不可欠な要素です。しかし、サイバー攻撃者によるWEBサイトの改ざんは企業の信用を損ない、ユーザーに重大な影響を及ぼす危険があります。この記事では、WEBサイト改ざんが何であるか、どのようにして発生するのか、そして具体的な被害事例を通じて解説します。

WEBサイト改ざんとは

WEBサイトの改ざんは、不正な手段でWEBページの内容を変更されることを指します。攻撃者は様々な手段を用いてWEBサイトの管理システムに侵入し、ウェブサイトのコンテンツを勝手に書き換えたり、悪意あるコードを挿入します。これにより、訪問者に対して誤情報を提供したり、マルウェアの拡散などの二次的な攻撃を引き起こす可能性があります。

WEBサイト改ざんの発生経路

外部からの不正なアクセスによる改ざん

外部からの不正アクセスは、攻撃者がサーバの脆弱性や管理者のパスワードなどのセキュリティ上の欠陥を利用してWEBサイトを改ざんする手法です。パスワードの強化や定期的なセキュリティパッチの適用が対策として有効です。

従業員による内部からの改ざん

内部関係者による改ざんは、従業員や関係者が不正にWEBサイトを改ざんするケースです。不正アクセスの防止と同時に、従業員へのセキュリティ教育やアクセス権限の厳格な管理が重要になります。

アップデートの不備や脆弱性による改ざん

ソフトウェアやプラグインの脆弱性を悪用されることによって、WEBサイトが改ざんされる場合があります。これらの脆弱性を未然に防ぐためには、システムやプラグインの最新化を常に行う必要があります。

ユーザーのパスワード漏洩による改ざん

ユーザーのパスワードが漏洩することでWEBサイトが改ざんされるケースもあります。ユーザーに対して、パスワードの複雑化や定期的な変更を推奨し、二段階認証の導入を検討することが有効な対策となります。

有名なWEBサイト改ざん事例

発生日付企業名概要
2023年9月三重県文化会館
※参照:同庁HP
2023年9月8日、三重県文化会館のMeta(Facebook)アカウントが乗っ取られ、同アプリのページが書き換えられていることが判明。
書き換えられた箇所は6件に渡り、ページ削除等の対応を連絡しているが対応出来ていないため、アクセス等を行わないよう注意喚起を実施した。
2023年11月大阪商業大学
※参照:同大学HP
2023年11月22日より、同学公式WEBサイトが第三者からの不正アクセスにより改ざんされ、不適切なWEBサイトが表示されていたことが判明。このため、同サイトを一時的に閉鎖し調査を実施。原因を特定した上で対策を実施しWEBサイトを復旧した。
2023年末早稲田スポーツ新聞会
※参照:同会HP
2023年末同会ホームページがウイルスに感染していたことが判明。
このウイルスにより、以下の被害が発生しているとのこと。
・ページ上に広告が貼られる
・特定のページにアクセスできない
・意図せずファイルがダウンロードされる
 
意図せずダウンロードされたファイルは開かないよう注意喚起を行っている。
2024年1月三浦工業株式会社
※参照:同社HP
2024年1月26日(金)17時00分頃から1月28日(日)11時21分までの間に、第三者からのサイバー攻撃によりホームページが改ざんされていた事が判明。ホームページにアクセスするとアラビア語の通販サイトへ誘導される状況が確認された。
個人情報の流出に関してはサーバから情報が抜きとられた形跡は確認されず情報の漏洩は極めて低いとのこと。
2024年2月株式会社日刊工業新聞
ホワイトメーカーズ
※参照:同社HP
同社が運営する求職情報ウェブサイト「ホワイトメーカーズ」がサイト改ざん被害を受け、顧客の個人情報(氏名・メールアドレス・暗号化されたパスワード250名分)が外部流出した可能性をあることを発表。

WEBサイト改ざんの対策

WEBサイトの改ざんから保護するためには、包括的なセキュリティ対策が不可欠です。いくつかの対策を紹介します。

定期的な脆弱性診断とペネトレーションテストの実施

WEBサイトや関連するシステムに存在する可能性のあるセキュリティ脆弱性を発見するために、専門のツールを使用して定期的な脆弱性診断を行いましょう。さらに、ペネトレーションテスト(侵入テスト)を通じて、実際の攻撃シナリオを模擬し、セキュリティ対策の有効性を評価します。

セキュリティパッチの迅速な適用

使用しているソフトウェア(CMSやプラグインなど)から提供されるセキュリティパッチは、公開され次第速やかに適用しましょう。多くのWEBサイト改ざんは、公知の脆弱性を利用して実行されます。迅速なパッチ適用により、これらの攻撃ルートを遮断できます。

コンテンツセキュリティポリシー(CSP)の導入

CSPは、特定の種類のコードが実行されることを制限することで、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃などからWEBサイトを保護するセキュリティ機能です。CSPの適切な設定により、不正なスクリプトがWEBページに挿入されるリスクを軽減できます。

ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)の利用

WAFは、不正なHTTPリクエストを検出し、ブロックすることでWEBアプリケーションを保護します。WAFの設定を最適化することで、SQLインジェクション攻撃やクロスサイトスクリプティング攻撃など、多くのWEB脅威から防御できます。

マルチファクタ認証(MFA)の強制

WEBサイトの管理者アカウントに対して、パスワードだけでなく、マルチファクタ認証(MFA)を強制することで、不正アクセスのリスクを大幅に低減できます。MFAは、SMSやアプリによるワンタイムパスワードなど、複数の認証手段を要求することでセキュリティを強化します。

アクセス権限の最小化と監視

WEBサイトの管理者や従業員に与えるアクセス権限を、必要最低限に留めましょう。また、不審なアクセスや改ざんの試みを検出するために、ログの監視と分析を行うことが重要です。

これらの対策を総合的に実施することで、WEBサイトの改ざんリスクを大幅に軽減し、信頼性の高いWEB環境を維持することが可能になります。

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