APT攻撃、または高度な持続的脅威として知られるこれらのサイバー攻撃は、世界中の組織や国家に対する深刻なセキュリティ上のリスクをもたらしています。
この種の攻撃は、単なる一時的な侵入ではなく長期間にわたって標的のネットワーク内で潜伏し、価値ある情報を収集し続けることを目的としています。

特定の組織や国家を狙ったこれらの攻撃は、その精巧さと持続性により一般的なサイバー攻撃とは異なります。 APT攻撃がもたらす被害は甚大で情報漏洩はもちろん、データの改ざんやなりすまし、さらには組織の運営に重大な影響を及ぼすこともあります。
このため、APT攻撃への対策は、単に防御を強化するだけでは不十分であり、攻撃をいかに早期に検知し迅速に対応するかが鍵となります。

本記事ではAPT攻撃の特徴や手口、事例を解説しています。APT攻撃に限りませんが、セキュリティ対策を徹底していくことが重要です。

APT(Advanced Persistent Threat)攻撃とは

APTは「Advanced Persistent Threat」の略称で、直訳すると「高度かつ継続的な脅威」という意味となります。
APT攻撃は、特定のターゲットに対して長期間にわたり潜伏し続けることを可能にする高度な技術を用いたサイバー攻撃です。
攻撃者は、国家や組織の支援を受けていることが多く、彼らの目標は金銭的利益だけでなく、政治的・軍事的な情報の収集や産業スパイ活動にも及びます。
APT攻撃はその隠蔽性と持続性により、標的の組織に甚大な被害を与えることが可能です。

APT攻撃の特徴

APT攻撃の特徴は持続性です。攻撃者は一般的なサイバー攻撃よりもはるかに時間をかけて標的のネットワークへのアクセスを維持し、監視とデータ収集を行います。これらにはメールスピアフィッシング、ソーシャルエンジニアリング、マルウェアの使用、ゼロデイ脆弱性の悪用など、さまざまな手法が用いられます。

APT攻撃の手口

APT攻撃の手口は、初期侵入からデータ収集、潜伏、そして最終的な目標達成に至るまで複数の段階を含みます。初期侵入のためには、フィッシングメールや社会工学的手法が用いられ、標的組織の従業員から信頼を得ることが一般的です。侵入後は内部ネットワーク内での横移動を行い、権限昇格を試み、長期間にわたって潜伏します。この期間中、攻撃者は標的のネットワークを詳細に調査し重要なデータを収集します。

APT攻撃を受けた場合に想定される被害

APT攻撃による被害は単に財務的な損失にとどまらず、企業の評判、顧客の信頼、さらには国家安全保障にまで及ぶことがあります。情報漏洩は最も一般的な被害の一つであり、企業の機密情報、知的財産、顧客データが危険にさらされます。データの改ざんやなりすましにより、企業の運営に深刻な影響を与え、長期的なビジネスの損失につながることもあります。

情報漏洩の被害

機密情報や個人情報など、重要なデータが外部に漏れることで企業の信頼性や競争力が失われる恐れがあります。

▮データの改ざんやなりすまし

攻撃者が重要なデータを改ざんしたり、組織内部の人間になりすまして操作を行うことで、組織運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

▮パソコンやサーバーの乗っ取り

攻撃者によるシステムの制御権奪取により、組織のITインフラが脅威に晒されます。

標的型攻撃との違い

APT攻撃は標的型攻撃の一種ですが、その持続性、高度な隠蔽性、および特定の目標に対する集中的な焦点において区別されます。APT攻撃は単一のイベントではなく、一連の戦略的な活動と見なすことができ、攻撃者によって長期間にわたって計画され実行されます。

有名なAPT攻撃事例

APT攻撃は、過去数十年にわたって多くの国や組織を標的にしてきました。これらの攻撃事例は、APT攻撃の巧妙さと、サイバーセキュリティ対策の重要性を浮き彫りにしています。

【2010年】Googleなど30社以上の企業を狙って行われた大規模なサイバー攻撃

“オペレーション・オーロラ”として知られるこの攻撃は、Googleを含む数十の技術企業に対して行われました。攻撃者はゼロデイ脆弱性を利用して侵入し、知的財産を盗み出しました。この事件は国家支援を受けたAPT攻撃の存在を世界に知らしめることとなりました。

【2010年】日本のサイバー防衛分野の最先端企業への侵入

日本のサイバー防衛に関わる企業が緻密に計画されたAPT攻撃の標的となりました。攻撃者はメールを通じて従業員を騙し、組織内部のネットワークへのアクセスを確立しました。この攻撃は、APT攻撃がどれほど高度で、特定の目的を持って行われるかを示す事例の一つです。

APT攻撃の対策方法

APT攻撃への対策は、単一の方法に依存するのではなく、多層的なセキュリティ体制を構築することが重要です。ここでは、効果的なAPT攻撃対策方法をいくつか紹介します。

従業員意識の向上とセキュリティ対策の強化

APT攻撃は従業員を標的としたフィッシングメールなどを通じて行われることが多いため、従業員へのセキュリティ教育が非常に重要です。定期的な研修を実施し、不審なメールの見分け方や安全なウェブ閲覧方法など、基本的なセキュリティ対策の知識を従業員に浸透させることが求められます。

パッチとアップデートの継続的な適用

ソフトウェアの脆弱性を突くことがAPT攻撃の一般的な手口であるため、使用しているソフトウェアのパッチやアップデートを常に最新の状態に保つことが重要です。特に、OS、ウェブブラウザ、オフィスソフトウェアなど、攻撃者によく狙われるソフトウェアについては、セキュリティアップデートを迅速に適用することが求められます。

マルウェア対策と侵入検知

マルウェア対策ソフトウェアを導入し、常時更新を行いながら運用することで、不正なプログラムの侵入を防ぐことができます。また、侵入検知システム(IDS)や侵入防御システム(IPS)を導入することで、ネットワーク上の不審な動きを監視し、異常を検知した際には速やかに対応できる体制を整えることが重要です。

標的にされた組織が攻撃を完全に防ぐことは困難です。しかし、上記のような対策を組み合わせることで、攻撃のリスクを低減し、万が一侵入された場合でも被害を最小限に抑えることが可能になります。

APT攻撃に対する防御は、常に進化する脅威に対応するための継続的な努力が必要です。最新の脅威情報を入手し、セキュリティ対策を定期的に見直し、更新することが、組織を守る上で欠かせないアプローチと言えるでしょう。

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