フルリモート体制でも安全に業務を進めるために。Saleshubが選んだ「EDR+SOC」の導入効果

株式会社Saleshub

導入事例 - 株式会社Saleshub

左から

  • 株式会社アクト 山本 知基(ITビジネスソリューション本部 ソリューション営業部 ストラテジックセールスグループ マネージャー
  • 株式会社株Saleshub 久内 孝志 様(株式会社Saleshub プロダクト開発部 コーポレートIT)
社名

株式会社Saleshub

https://saleshub.jp/

従業員数
70名
事業内容
全国5万人のビジネスパーソンからの紹介によって、大手企業開拓を実現する顧客紹介サービス「セールスハブ」

近年、ランサムウェアをはじめとしたマルウェア感染や情報漏洩のリスクはあらゆる業種で問題視されています。フルリモートやハイブリッドワークが進むなかで「どこからでも仕事ができる」という利点がある一方で、セキュリティ上の懸念も高まっています。

企業リストを活用した商談アポイントの獲得支援サービスを提供する株式会社Saleshub(以下、Saleshub社)は、アクトが提供するEDR+SOCサービス「データお守り隊」を導入。わずかなITリソースと低予算でも高度な自動防御が可能なセキュリティ環境を整備しました。

今回は、株式会社Saleshub プロダクト開発部 コーポレートITの久内様にセキュリティ強化の検討経緯から導入後の効果までを詳しく伺いました。

スタートアップならではのフルリモート+多様なOS環境に潜むリスク

まずは貴社の事業と久内様の業務領域について教えてください。

久内様(以下、久内):

弊社は、企業が新規開拓したい企業名をまとめたリストを用意し、それらの企業とつながりを持つ「サポーター」へ紹介を依頼することで商談アポイントをセッティングしてもらえる、独自の紹介営業プラットフォームを提供しています。

私の担当領域はコーポレートITとしてセキュリティ領域からインフラ周り、社内で使うサービスやツールの導入選定を担当しています。

セキュリティ領域も長く担当されていらっしゃるのでしょうか?

久内:

いえ、社内SEとして15,6年ぐらいの経歴はありますが、弊社に入社した2022年4月からセキュリティ領域もカバーするようになりました。

Saleshub社がセキュリティ強化に取り組むことになった背景を教えてください。

久内:

弊社はフルリモートワークを基本としており、Windows・Macなど端末OSを含めて社員が自由に選択する環境が整備されています。

しかし、多様なデバイス環境でリモートワークを行うと、セキュリティ面でのリスクは高まります。

以前はWindows端末は「Defender」を、Mac端末は標準のセキュリティ機能でカバーする運用でしたが、今後の会社の規模拡大に向けてセキュリティ強度を高める必要性を感じていました。

ただ弊社はまだ小規模な企業で、専任のセキュリティ担当者がいないこともありEDRを調べていくうちに運用コストがネックになるかもしれないと感じておりました。

山本:

「セキュリティ担当者が足りない」という声は多くの中小~ベンチャー企業で共通する悩みです。とくにフルリモートで端末が分散しているとなると、目が届かない部分が増えます。そうした背景から「EDR+SOC」のセット導入を検討されるお客様が増えていると感じますね。

インタビュー風景
インタビュー風景

自社環境にあったセキュリティ製品を2週間ずつトライアルして検討

セキュリティ製品の導入を検討し始めてから、実際に導入を決定するまでの流れをお聞かせください。

久内:

思い立ってすぐに導入に至ったというわけではなく、「本当に効果がある製品を選びたい」という意識が強かったので、最終候補の3つのセキュリティ製品を各2週間ずつ試してみました。MITRE社*1による性能比較レポートや海外の検証記事を読み込み、検知率や操作性・コストなどを独自にスコア化していったんです。
その上で「どの製品が自社の環境・予算に最適か」をじっくり検討しました。検証開始から最終的な導入決定まで、3~4か月ほどかかったと思います。

山本:

すごい!!!ベンダー提供の比較表はどうせ信用ならないから自分の手を動かしたってことですね。しかも、セキュリティに携わるのが初めてなのに、MITREに行き着いて、おまけにあの難解な英文をご自分で読み込んだんですか?

*1 MITREでは、ランサムウェア犯が実際の現場で利用しているツール・コマンド群を解析・用意し、各セキュリティ製品がどのような対応結果となったかを全世界に公開しています。米連邦政府の出資で成り立っている非営利組織であり、第三者としての公平性を担保するため、極めて厳格な評価スキームを備え、それらは全てインターネットで公開されています。セキュリティベンダーの提供する比較表は、自分の製品を良く見せることだけに注力していると不満を持ったことは無いでしょうか?ではその一方、一般のユーザが実際のランサムウェア攻撃を模倣してセキュリティソフトの試験を行うことは現実的でしょうか?残念ながらそれは技術的にも法律的にも極めて困難な状況です。それでも、より良い製品を知りたい/使いたいというユーザの要望は世界共通であり、その期待に応える評価結果を無償で提供してくれるのがMITREです。

独自スコアリングとはどういったものでしょうか?

久内:

MITREの情報は重要度として高いのはもちろんなのですが全てのOSで動作するか?など弊社ならではの必須要件もあり、下記のような項目に重みづけをして候補製品を比較しました。

  • 多OS対応(Windows / Macで安定動作するか)
  • UI/UXや管理コンソールの操作感
  • 実際に検知が起こった際の自動処理範囲
  • 導入後のサポートや運用支援体制
  • 社内で許容できるコスト感

実はMITREのスコアだけで言えば最終的に導入した「SentinelOne」が他の製品に劣っている部分もあったんですが、なぜ低いのかを調べていただいて理由を明確にしていきました。

それぞれの理由が納得できるものだったので、見た目上のスコアが低かったとしても問題ないと判断することができました。

山本:

この”項目ごとに重みづけをしてスコアリング”というのは大変重要なキーワードだと思います。外部のレポートだけに依存するのではなく、自分の組織は何の機能がどれだけ必要かを内部で整理されたのは情シスとして理想的な姿としか言えません。

EDRの導入は一度入れて終わりではなく、継続運用が肝心です。Saleshub様のようにきちんと要件を洗い出し、社内の予算観や運用体制と比較しながら絞り込むのは理想的な進め方だと思います。

インタビュー風景
インタビュー風景

補助金も活用できたことで導入ハードルが下がった

多数の選択肢がある中で、最終的にアクトのEDR+SOCを選んだ理由を教えてください。

久内:

一番の理由は「SOCまで含めて予算内に収まる」ことでした。正直、SOCは高額なイメージがあって最初は諦めかけていたのですが、アクトさんの場合、ライセンス費用とのセットでも大きな負担にならず、しかも補助金が使えたのでかなり導入ハードルが下がりました。
また、SentinelOne自体の検知精度やAIによる自動防御が高く評価されている点も大きかったです。未知のマルウェアやランサムウェア対策としては、業界でも最先端レベルという安心感がありました。

山本:

SOCサービスというと「24時間の有人監視で費用が高い」と思われがちですが、弊社は予算が潤沢とは言えない中小企業様でも導入しやすい価格帯を意識しつつ、補助金情報のご提供や導入支援のフォローもあわせて行っています。お客様が本当に必要としているレベルに応じ、無理のない範囲でSOCを付けることができるのが強みですね。

EDRの性能以上に、リアルタイムで対応してもらえることの安心感

導入時に大変だったことなどはありましたか?

久内:

ほとんどありませんでした。導入作業で分からないことがあっても、アクトさんとはSlackでつながっているので、気軽に問い合わせができます。大手の会社でよくある問い合わせフォームやメールだとタイムラグが大きいですが、Slackならリアルタイムで質問→回答がもらえるため、導入プロセスもスムーズでした。

SentinelOne導入後、どのような変化を感じますか?

久内:

「すごくセキュリティが強固になった!」という実感よりは、アラートの精度や自動ブロック機能のおかげで「不安が減った」という印象です。フルリモートの働き方であっても、端末レベルで自動的に危険を封じ込めるので、日々の業務を安心して進められます。
また管理コンソールが非常に分かりやすいので、もしアラートが出た時も、SOCサービスを利用しながら自社側でも素早くログを確認して対処できるようになりました。

人員体制が限られる中でのメリットは大きいと感じますか?

久内:

非常に大きいと感じます。弊社はコーポレートIT担当が私一人なので導入前から運用コストを抑えたいと考えていたのですが、実際にSOCサービスがあることで運用負担がほぼありません。アラートを自分で判断しなければならない場合もありますが、最終的にはアクトさんのSOCチームにも相談できるので「もし誤った判断をしてしまったらどうしよう」という不安がありません。
さらに、設定面で困ったことがあってもSlackでサポートにすぐ確認できるので、導入後も「想定外のトラブルに追われる」という事態が起きていないのは大きいですね。

インタビュー風景
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今後の展望:ゼロトラスト化の推進によるさらなる強化へ

今後のセキュリティ強化方針についてお聞かせください。

久内:

今のところ端末レベルの対策がある程度落ち着いてきたので、次はネットワークやクラウド認証まわりを含めたゼロトラスト化の推進を考えています。また、従業員へセキュリティリテラシーを高めてもらうための社内勉強会やテストも実施予定です。私ひとりでは対応が大変なので、運用や拡張の相談をアクトさんに継続して行っていきたいですね。

山本:

Saleshub様のように段階的に強化していくアプローチは大変重要です。いきなりすべてのセキュリティ領域を網羅しようとすると、コストもオペレーションも膨れ上がりますから。まずはEDR+SOCで端末防御を固め、徐々にクラウドやネットワーク対策へ拡大していく。引き続き運用支援を通じて、そのステップアップを全力でサポートいたします。

インタビュー風景
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まとめ:小規模リソースでも実現する高度なEDR+SOCの意義

大手企業だけでなくスタートアップ・中小企業などあらゆる企業規模でサイバー攻撃やセキュリティリスクは避けられない時代です。
また、フルリモート化が進むなか「どのように社内リソースを確保し、専門知識を補うか」という課題に頭を悩ませる企業は少なくありません。Saleshub社の例は、小規模リソースでもSOCサービスと組み合わせることで、十分なセキュリティレベルを達成できる好例といえるでしょう。

また、アクトではセキュリティ予算の確保が難しい企業にも補助金を活用したご提案を行なっています。
Saleshub社にも導入いただいたアクトの「データお守り隊」は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に認定されている「EDR+SOC+簡易サイバー保険」がセットになった初期費用0円から始められるセキュリティサービスです。

もしご興味をお持ちの方は、ぜひアクトまでお問い合わせください。貴社の環境・予算感に合わせて、最適なセキュリティソリューションをご提案いたします。

アクトの「データお守り隊」:月々1,000円/台から始められるサイバーセキュリティ対策