近年、サイバー攻撃の高度化が進む中、企業の情報システム部門にとって対策が求められる脅威の一つが「コードインジェクション」です。この攻撃手法は、プログラムに不正なコードを挿入し、それを実行させることでシステムの動作を制御したり、情報を盗み出したりするものです。

この記事では、コードインジェクションの基本的な定義から、その具体的な仕組みやリスク、さらに効果的な防御策について解説します。

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コードインジェクションとは

コードインジェクションとは、攻撃者がアプリケーションやシステムに不正なコードを挿入し、そのコードを実行させることで、システムの制御を奪ったり、データを盗んだりするサイバー攻撃の一種です。この攻撃は、主に入力値の検証不足や不適切なエスケープ処理といったプログラムの脆弱性を悪用して行われます。

例えば、ユーザーが入力した情報をそのまま処理するウェブアプリケーションの場合、入力内容が意図的に改変されたコードであれば、そのコードが実行される可能性があります。これにより、攻撃者はデータベースへの不正アクセスや情報漏洩、システム停止などを引き起こすことができます。

💡コードインジェクションの特徴と攻撃者の目的

コードインジェクションの特徴は、その汎用性と効果の高さにあります。攻撃者は以下のような目的を持ってコードインジェクションを実行します。

  1. 機密情報の窃取
    攻撃者は、コードインジェクションを利用してデータベースに保存されている個人情報や企業の機密情報を取得します。例えば、クレジットカード情報や顧客リストなどが標的となります。
  2. システムの破壊
    悪意あるコードを挿入することで、ターゲットシステムをクラッシュさせたり、サービスを停止させたりすることができます。
  3. バックドアの設置
    コードインジェクションを使用して、システム内にバックドアを設置し、後で再び侵入できるようにする場合もあります。
  4. マルウェアの拡散
    攻撃者は、コードインジェクションを利用してシステム内にマルウェアをインストールし、それを利用してさらに攻撃を広げることがあります。

コードインジェクションの仕組み

✅攻撃のステップ

コードインジェクションは以下のステップで実行されます。

脆弱性の発見
攻撃者は、ターゲットのシステムやアプリケーションにおける脆弱性を特定します。この脆弱性は、主に入力フィールドやデータベースクエリ処理に関連しています。

不正コードの挿入
攻撃者は、入力フィールドやリクエストに悪意のあるコードを挿入します。例えば、SQLクエリを改変するSQLインジェクションや、システムコマンドを悪用するコマンドインジェクションなどがあります。

コードの実行
挿入された不正なコードが、ターゲットのプログラムによって実行されます。この結果、攻撃者はデータベースの不正操作やシステム侵入を行います。

結果の取得
攻撃者は、実行されたコードの結果を受け取り、データを盗む、システムを停止させるなどの目的を達成します。

✅主なコードインジェクションの手法

コードインジェクションにはさまざまな手法があり、それぞれが異なる脆弱性を悪用します。

メモリベースのインジェクション
攻撃者がプログラムのメモリに直接不正なコードを挿入し、実行させる手法です。これは高度な技術を要しますが、成功した場合の影響は非常に大きいです。

SQLインジェクション
SQLインジェクションは、アプリケーションがデータベースに送信するクエリを改変することで、データベースの情報を不正に取得したり改ざんしたりする攻撃です。特に入力フィールドが直接クエリに使用される場合に発生します。

コマンドインジェクション
システムコマンドをターゲットにした攻撃手法で、攻撃者はシステムコマンドラインに不正なコマンドを挿入します。この手法により、システムの制御を奪われる可能性があります。

コードインジェクション型クロスサイトスクリプティング(XSS)
ユーザーが閲覧するウェブページに不正なスクリプトを挿入し、ユーザーのブラウザ上で実行させる攻撃手法です。

コードインジェクションのリスクと影響

コードインジェクションが成功すると、次のような深刻な影響が発生します。

  • データ漏洩
    機密情報が攻撃者に盗まれ、顧客や従業員のデータが漏洩する可能性があります。これにより、法的な問題や信頼性の喪失が発生します。
  • サービスの中断
    サービスが停止し、企業の業務に大きな支障をきたす可能性があります。これは、収益の損失や顧客満足度の低下につながります。
  • リソースの浪費
    攻撃者がシステムを不正に利用することで、リソースが浪費され、業務の効率が低下します。

コードインジェクションへの対策

🟢入力値の検証

すべてのユーザー入力を検証し、不正な値が含まれていないことを確認します。特に、特殊文字やコードに関する入力を厳密にチェックすることが重要です。

🟢エスケープ処理の実施

データベースクエリやシステムコマンドに対して、適切なエスケープ処理を施します。これにより、意図しないコードの実行を防ぐことができます。

🟢セキュリティツールの活用

WAF(Web Application Firewall)やEDR(Endpoint Detection and Response)を活用することで、リアルタイムでのコードインジェクションの検出と防御を可能にします。

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未知の攻撃にも対応できるセキュリティツールの導入

サイバー攻撃に対処するためには、最新のセキュリティツールの導入が不可欠です。特に、ランサムウェアやゼロデイ攻撃に対しては、従来のウイルス対策ソフトでは不十分であり、AIを活用したEDR(Endpoint Detection and Response)や次世代ファイアウォールの導入が効果的です。これらのツールは、未知の脅威にも迅速に対応でき、攻撃が発生する前にシステムを保護することが可能です。

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セキュリティについて従業員教育を行う

サイバー攻撃対策を効果的に実行するためには、技術的なツールの導入だけでなく、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めることも重要です。多くのサイバー攻撃は、従業員の不注意や不正な操作によって引き起こされるケースが少なくありません。特に、フィッシングメールや悪意のあるリンクをクリックしてしまうことによる情報漏えいは防止可能なものです。定期的なセキュリティ研修やシミュレーションを行うことで、従業員が最新の攻撃手法を理解し、適切な対応を取れるようになります。

セキュリティ対策のガイドラインを策定する

効果的なセキュリティ対策を実施するためには、企業ごとに具体的なセキュリティガイドラインを策定することが求められます。このガイドラインでは、データの取扱い方法、アクセス権の設定、アプリケーションの使用制限など、業務に関連するセキュリティポリシーを明確に定義します。従業員が守るべきセキュリティ基準を文書化することで、全員が一貫したセキュリティ対策を実施できる環境を構築します。

また、ガイドラインを定期的に見直し、最新のサイバー攻撃手法に対応するために必要な変更を加えることも重要です。企業の業務内容や使用する技術の変化に応じて、適切にセキュリティポリシーを更新することで、サイバー攻撃に対する防御力を維持できます。

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