インスタントメッセージング(IM)ツールの普及に伴い、新しい形態のスパムである「スピム(SPIM: Spam over Instant Messaging)」が増加しています。従来のスパムメールとは異なり、スピムはインスタントメッセージングアプリを通じて送信されるため、特定の環境に特化したセキュリティ対策が求められます。これらのメッセージは、広告リンクやフィッシングサイトへの誘導、マルウェアの配布といった目的で利用され、多くの場合、ユーザーの注意を引くような内容が含まれています。

この記事では、スピムの基本的な仕組みや実際の被害、そして効果的な防御策について詳しく解説します。

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スピム(SPIM)とは?

スピムとは、インスタントメッセージングプラットフォームを通じて送信されるスパムメッセージを指します。具体的には、IMアプリケーションを利用して大量に送信される不要なメッセージであり、広告目的や悪意のあるリンクの配布、さらには詐欺行為に利用されます。スピムが電子メールを利用するスパムと異なるのは、リアルタイムでの双方向通信が可能なIMプラットフォームを介して送られる点です。この特性により、メッセージがより自然に見え、受信者の注意を引きやすいという特徴があります。

例えば、企業が利用するIMツールに侵入したスピムは、従業員を装ったメッセージを送り、特定のリンクをクリックするよう促します。このリンク先は、フィッシングサイトやマルウェアのダウンロードページである場合が多く、個人情報の盗難や企業システムへの侵入を目的としています。

⚠️スピムの仕組みと特徴

スピムの背後には、高度な手法と巧妙な仕掛けがあります。その特徴を理解することが、対策を講じる上での第一歩です。

まず、スピムのメッセージは、見た目が非常に説得力のある内容で構成されています。たとえば、「未読のメッセージがあります」という通知形式や、「重要なドキュメントを確認してください」といった業務に関連するような文言がよく使用されます。これにより、受信者が警戒心を抱くことなくリンクをクリックしたり、添付ファイルをダウンロードしたりする可能性が高まります。

さらに、スピムは特定のプラットフォームやユーザー属性に合わせてカスタマイズされる場合があります。例えば、企業向けIMツールでは業務内容に関連するフレーズが使われ、個人用IMでは家族や友人を装ったメッセージが利用されることがあります。このように、ターゲットに特化したアプローチを採用することで、スピムの成功率は大幅に向上します。

スピムによる被害と影響

🔴個人ユーザーへの影響

スピムは、個人ユーザーに対して多くのリスクをもたらします。その最も顕著な影響の一つがプライバシーの侵害です。スピムに含まれるリンクをクリックすると、フィッシングサイトに誘導され、そこで入力された個人情報が悪意のある第三者に収集される可能性があります。この情報は、後に詐欺行為や不正アクセスに利用されることがあります。

また、マルウェアが添付されたスピムメッセージを誤って開くと、デバイスが感染し、個人データの流出やシステムの不正操作が行われる危険性があります。さらに、スピムを頻繁に受信すること自体が、ユーザーにとって大きなストレスとなり、IMプラットフォームの利用を躊躇させる要因となります。

🔴企業への影響

スピムの影響は個人に留まらず、企業全体にも波及します。特に、企業が業務連絡にIMツールを活用している場合、その被害は甚大です。スピムが侵入すると、業務効率が著しく低下します。従業員がスピムの対応に追われ、本来の業務に集中できなくなることがあります。

さらに、スピムに含まれるマルウェアやフィッシングリンクをクリックした場合、企業の機密情報が流出するリスクがあります。例えば、プロジェクトに関する情報や顧客データが盗まれると、それが競合他社や悪意のある第三者に利用される可能性があります。このような情報漏洩は、企業の信用を著しく損なう要因となり、顧客離れや収益の減少につながります。

スピムへの防御策

🟢技術的な対策

スピムを防ぐためには、まず技術的なセキュリティ対策を強化することが必要です。その一つが、IMプラットフォームにスピム検出機能を備えたセキュリティソリューションを導入することです。これにより、不正なメッセージが届く前に自動的にブロックされます。また、最新のマルウェア対策ソフトウェアを使用することで、スピムによる感染リスクを低減できます。

さらに、企業のネットワーク管理者は、IMプラットフォームのアクセス権限を厳格に管理する必要があります。特に、外部からのアクセスを制限し、不審なIPアドレスからの接続を防ぐことで、スピムが侵入する可能性を最小限に抑えることができます。

🟢教育と意識向上

技術的な対策に加えて、従業員や個人ユーザーのセキュリティ意識を高めることも重要です。定期的なセキュリティトレーニングを実施し、スピムの特徴やリスクについて理解を深めてもらうことで、被害を未然に防ぐことができます。また、模擬的なスピム攻撃をシミュレーションすることで、実際の攻撃に遭遇した際の対応能力を向上させることができます。

サイバー攻撃対策をするなら

未知の攻撃にも対応できるセキュリティツールの導入

サイバー攻撃に対処するためには、最新のセキュリティツールの導入が不可欠です。特に、ランサムウェアやゼロデイ攻撃に対しては、従来のウイルス対策ソフトでは不十分であり、AIを活用したEDR(Endpoint Detection and Response)や次世代ファイアウォールの導入が効果的です。これらのツールは、未知の脅威にも迅速に対応でき、攻撃が発生する前にシステムを保護することが可能です。

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セキュリティについて従業員教育を行う

サイバー攻撃対策を効果的に実行するためには、技術的なツールの導入だけでなく、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めることも重要です。多くのサイバー攻撃は、従業員の不注意や不正な操作によって引き起こされるケースが少なくありません。特に、フィッシングメールや悪意のあるリンクをクリックしてしまうことによる情報漏えいは防止可能なものです。定期的なセキュリティ研修やシミュレーションを行うことで、従業員が最新の攻撃手法を理解し、適切な対応を取れるようになります。

セキュリティ対策のガイドラインを策定する

効果的なセキュリティ対策を実施するためには、企業ごとに具体的なセキュリティガイドラインを策定することが求められます。このガイドラインでは、データの取扱い方法、アクセス権の設定、アプリケーションの使用制限など、業務に関連するセキュリティポリシーを明確に定義します。従業員が守るべきセキュリティ基準を文書化することで、全員が一貫したセキュリティ対策を実施できる環境を構築します。

また、ガイドラインを定期的に見直し、最新のサイバー攻撃手法に対応するために必要な変更を加えることも重要です。企業の業務内容や使用する技術の変化に応じて、適切にセキュリティポリシーを更新することで、サイバー攻撃に対する防御力を維持できます。

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