WEBスパイダリング(Web Spidering)は、インターネット上のウェブサイトを自動的に巡回し、情報を収集する技術の一つです。この技術は、検索エンジンのインデックス作成やデータ収集の効率化に不可欠なツールとして利用される一方で、悪用されることもあり、サイバーセキュリティの観点から注目されています。

本記事では、WEBスパイダリングの基本概念、仕組み、正当な利用と不正利用の違い、そして関連するセキュリティリスクと防御策について詳しく解説します。

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WEBスパイダリングとは

WEBスパイダリングは、プログラムを使用してウェブサイトを自動的に巡回し、データを収集する技術を指します。これにより、人間が手動で情報を収集するのと比較して、大量のデータを効率的かつ迅速に取得することが可能です。この技術は、一般的には検索エンジンのクローラーとして利用され、インターネット上の膨大な情報を整理してインデックス化する役割を果たしています。

一方で、この技術が悪用されると、ウェブサイトの負荷を高めたり、意図しないデータの収集を行ったりするリスクもあります。例えば、不正アクセスを目的としたスパイダリングや、競合他社の情報を不正に収集するためのツールとして使用される場合があります。

WEBスパイダリングは、以下のような正当な目的で利用されています。

  1. 検索エンジンのインデックス作成
    GoogleやBingなどの検索エンジンは、クローラーを使用してウェブページを巡回し、その内容をインデックスに登録します。このプロセスにより、ユーザーが検索クエリに基づいて関連性の高い情報を取得できるようになります。
  2. データマイニング
    企業は、公開されているウェブデータを収集して市場調査や競合分析に利用します。これには、価格比較サイトや製品レビュー収集などが含まれます。
  3. ウェブアーカイビング
    歴史的なウェブコンテンツの保存を目的として、ウェブページのコピーを作成する場合にもスパイダリング技術が利用されます。

WEBスパイダリングの仕組み

🔴クローラーの動作原理

WEBスパイダリングを実現するクローラーは、特定のURLから開始してリンクをたどりながらウェブサイトを巡回します。このプロセスは以下の手順で行われます。

URLの取得
最初に指定されたURLを訪問し、そのページの内容を解析します。

リンクの抽出
ページ内のリンクを解析し、次に訪問すべきURLをリスト化します。

データの収集
HTML構造やテキストコンテンツ、画像など、ウェブページのデータを収集します。

再帰的な巡回
リスト化されたリンクを順次訪問し、同様のプロセスを繰り返します。

🔴Robots.txtとスパイダリングの制御

WEBスパイダリングは多くの場合、ウェブサイトの管理者が作成したrobots.txtファイルに基づいて制御されます。このファイルは、クローラーに対してアクセス可能な領域やアクセス禁止の領域を指示するためのものです。例えば、以下のような記述で制御が行われます:

User-agent: *
Disallow: /private/

この例では、すべてのクローラーが/private/ディレクトリへのアクセスを禁止されます。ただし、悪意のあるスパイダーはrobots.txtを無視するため、セキュリティ対策が必要です。

WEBスパイダリングによるリスクと影響

⚠️サーバー負荷の増加

過度なスパイダリングは、サーバーに大きな負荷をかける可能性があります。特に、同時に大量のリクエストを送信する悪意のあるクローラーは、サーバーのリソースを枯渇させ、ウェブサイトのパフォーマンスを低下させる原因となります。

⚠️データの不正収集

WEBスパイダリングが悪用されると、競合他社の機密情報やユーザーの個人情報が不正に収集されるリスクがあります。例えば、価格情報や製品データ、ウェブサイトの構造そのものがターゲットにされる場合があります。

⚠️不正アクセスのリスク

スパイダリングは、悪意のある攻撃の前段階として利用されることもあります。例えば、攻撃者が脆弱なURLやセキュリティホールを特定するためにスパイダリングを実施し、その後の攻撃を計画する場合があります。

WEBスパイダリングへの対策

リクエスト頻度の制限

サーバーへのリクエスト頻度を制限することで、過剰なスパイダリングによる負荷を軽減できます。具体的には、IPアドレスごとのリクエスト数を一定数に制限し、それを超えるアクセスをブロックする方法があります。

Robots.txtとCAPTCHAの利用

robots.txtファイルを適切に設定し、正当なクローラーに対してアクセス制限を指示します。さらに、CAPTCHAを利用することで、自動化されたクローラーによるデータ収集を防止することが可能です。

アクセスログの監視

ウェブサーバーのアクセスログを定期的に確認し、不審なIPアドレスや異常なリクエストパターンを検出することが重要です。これにより、悪意のあるスパイダリングを早期に特定し、対策を講じることができます。

サイバー攻撃対策をするなら

未知の攻撃にも対応できるセキュリティツールの導入

サイバー攻撃に対処するためには、最新のセキュリティツールの導入が不可欠です。特に、ランサムウェアやゼロデイ攻撃に対しては、従来のウイルス対策ソフトでは不十分であり、AIを活用したEDR(Endpoint Detection and Response)や次世代ファイアウォールの導入が効果的です。これらのツールは、未知の脅威にも迅速に対応でき、攻撃が発生する前にシステムを保護することが可能です。

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セキュリティについて従業員教育を行う

サイバー攻撃対策を効果的に実行するためには、技術的なツールの導入だけでなく、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めることも重要です。多くのサイバー攻撃は、従業員の不注意や不正な操作によって引き起こされるケースが少なくありません。特に、フィッシングメールや悪意のあるリンクをクリックしてしまうことによる情報漏えいは防止可能なものです。定期的なセキュリティ研修やシミュレーションを行うことで、従業員が最新の攻撃手法を理解し、適切な対応を取れるようになります。

セキュリティ対策のガイドラインを策定する

効果的なセキュリティ対策を実施するためには、企業ごとに具体的なセキュリティガイドラインを策定することが求められます。このガイドラインでは、データの取扱い方法、アクセス権の設定、アプリケーションの使用制限など、業務に関連するセキュリティポリシーを明確に定義します。従業員が守るべきセキュリティ基準を文書化することで、全員が一貫したセキュリティ対策を実施できる環境を構築します。

また、ガイドラインを定期的に見直し、最新のサイバー攻撃手法に対応するために必要な変更を加えることも重要です。企業の業務内容や使用する技術の変化に応じて、適切にセキュリティポリシーを更新することで、サイバー攻撃に対する防御力を維持できます。

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