スマートフォンの普及とともに、QRコードは便利な情報取得手段として広く利用されていますが、この便利さを逆手に取った詐欺が横行しています。本記事では、クイッシングの具体的な手口や被害事例を解説するとともに、対策方法についても詳しく紹介します。

※QRコードは、デンソーウェーブが1994年に開発した登録商標です。
高速読み取りを意図した2次元コードであり今や世界中で普及しています。
本記事で取り上げるクイッシング(QRコード詐欺)についての情報は、QRコードの利便性を否定するものではありません。

クイッシング(QRコード詐欺)とは

クイッシングとは、QRコードを悪用して個人情報や金融情報を盗み取る新たな詐欺手法です。近年、スマートフォンの普及に伴い、QRコードは多くの場面で利用されるようになりました。しかし、この便利な技術が詐欺師たちに悪用されることも少なくありません。具体的には、偽のQRコードを作成し、それを用いてユーザーをフィッシングサイトに誘導したり、不正な取引を行わせたり、マルウェアをダウンロードさせることが目的です。クイッシングの手口は巧妙化しており、見た目では正規のQRコードと見分けがつかない場合も多いです。

クイッシング(QRコード詐欺)の手口

クイッシングの手口は多岐にわたります。詐欺師は様々な方法でユーザーを欺き、不正な情報を取得しようとします。以下では、主な手口を解説します。

フィッシングサイトへの誘導

詐欺師は偽のQRコードを利用して、ユーザーをフィッシングサイトに誘導します。フィッシングサイトは見た目は正規のサイトとほとんど変わりませんが、実際には詐欺師が運営しているものです。ユーザーがここで個人情報やログイン情報を入力すると、その情報が詐欺師の手に渡ります。特に、銀行やクレジットカード会社の偽サイトが多く見られます。

不正な取引へ誘導し情報を盗む

偽のQRコードを利用して、ユーザーを不正な取引に誘導する手口もあります。例えば、詐欺師はQRコードを用いて偽の支払いページにユーザーを誘導し、そこでクレジットカード情報を入力させます。この情報を利用して、詐欺師は不正な購入を行います。また、オンラインサービスの登録ページに誘導し、個人情報を盗むこともあります。

マルウェアをダウンロードさせる

クイッシングの中には、ユーザーにマルウェアをダウンロードさせる手口もあります。偽のQRコードをスキャンすると、ユーザーのデバイスにマルウェアがインストールされます。このマルウェアは、デバイス内の個人情報を収集したり、遠隔操作を可能にするものです。特に、スマートフォンやタブレットはターゲットになりやすいです。

クイッシング(QRコード詐欺)への対策

クイッシングの被害を防ぐためには、以下の対策を講じることが重要です。これらの対策は、ユーザー個人だけでなく、企業や組織全体で取り組む必要があります。

怪しいQRコードは読み取らない

まず、怪しいと思われるQRコードは絶対に読み取らないことです。特に公共の場やメールで送られてきたQRコードには注意が必要です。QRコードが貼られている場所や、その提供元が信頼できるかを確認する習慣をつけましょう。また、不明なQRコードは信頼できるツールでスキャンする前に、内容を確認することが重要です。

多要素認証の導入

多要素認証(MFA)を導入することで、クイッシングの被害を大幅に減らすことができます。MFAは、ユーザーがログインする際に、パスワード以外に追加の認証手段を求めることで、セキュリティを強化します。例えば、スマートフォンに送られる確認コードや、生体認証(指紋や顔認証)などが一般的です。これにより、パスワードが漏洩しても、不正ログインを防ぐことができます。

セキュリティソフトの導入

デバイスにセキュリティソフトをインストールし、最新の状態に保つことも重要です。セキュリティソフトは、マルウェアの検出やフィッシングサイトのブロックなど、多岐にわたる防御機能を提供します。特に、クイッシングのような新たな脅威に対しても効果的な対策を講じることができます。

従業員のセキュリティ意識向上のためのトレーニング

企業では、従業員のセキュリティ意識を向上させるためのトレーニングを実施することが重要です。特に、クイッシングの手口や対策についての知識を深めることで、従業員が怪しいQRコードを見分けられるようになります。定期的なトレーニングとフィッシング対策のシミュレーションを行うことで、従業員のリスク意識を高めることができます。

WEBフィルタリングの導入

WEBフィルタリングを導入することで、危険なサイトへのアクセスを事前にブロックすることができます。企業ネットワークにおいて、特にフィッシングサイトやマルウェア配布サイトへのアクセスを制限することは、従業員を守るために有効な手段です。信頼できるフィルタリングソフトを使用し、定期的に更新することが重要です。

クイッシング対策の注意点

クイッシング対策にはいくつかの注意点があります。以下に、その主なポイントを解説します。

完全な防御は難しい

クイッシング対策を講じることは重要ですが、完全に防ぐことは難しいことを理解しておく必要があります。詐欺師は常に新しい手口を考案しており、最新のセキュリティ対策をもってしても、100%の防御は保証できません。したがって、常に警戒心を持ち、怪しいQRコードには近づかないことが基本です。

怪しいメールやサイトを無視しない

怪しいメールやサイトを見つけたら、無視せずに報告することが重要です。企業内では、IT部門やセキュリティ担当者に速やかに報告し、適切な対応を取ることが求められます。また、一般ユーザーであれば、信頼できる機関に通報することが推奨されます。これにより、他のユーザーが同じ手口に引っかかるリスクを減らすことができます。

クイッシングの新手法にも注意する

クイッシングの手口は日々進化しています。新しい手法にも常に注意を払い、最新の情報を収集することが重要です。セキュリティに関するニュースやブログを定期的にチェックし、新たな脅威に対する対策を講じることで、自身のセキュリティレベルを維持できます。

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