現代社会において、インターネットは私たちの日常生活に不可欠なものとなりましたが、それに伴いサイバーセキュリティの脅威も増加しています。今回ご紹介する「ドライブバイダウンロード攻撃」は、気づかぬうちにマルウェアに感染するリスクを持ち個人から企業まで幅広いターゲットに影響を与えています。この記事では、ドライブバイダウンロード攻撃の仕組みや、それによって引き起こされるリスク、それを防ぐための具体的な対策方法について解説します。
ドライブバイダウンロード攻撃とは
ドライブバイダウンロード攻撃とは、インターネットユーザーが意図せずにマルウェアに感染する一種のサイバー攻撃です。ユーザーが感染したウェブサイトを訪れるだけで、そのサイトに仕込まれた悪意あるスクリプトが自動的に実行され、マルウェアがダウンロードされます。この攻撃は通常、ユーザーの知識や許可なく行われ、ブラウザやその他のアプリケーションのセキュリティ上の欠陥を利用します。利用されるマルウェアは非常に多岐にわたり、スパイウェア、ランサムウェア、トロイの木馬などが含まれます。
ドライブバイダウンロード攻撃の仕組みと手口
ドライブバイダウンロード攻撃では、攻撃者が悪意のあるスクリプトをウェブページに注入します。このスクリプトは訪問者のブラウザが自動的に実行するように設計されており、通常、Adobe FlashやJavaScript、PDFリーダーなどのプラグインを介して実行されます。ブラウザやプラグインの既知のセキュリティホールを悪用することで、ユーザーがマルウェアの存在に気付かないうちにコンピューターに侵入し、感染させることができます。この攻撃は、ユーザーが特定の操作を行うことなく自動的に進行するため、防御が困難であるという特徴があります。
ドライブバイダウンロード攻撃で想定されるリスク
この攻撃はシステムの完全な制御を攻撃者に移すことがあります。マルウェアによってシステムが侵害されると、攻撃者は追加の悪意あるソフトウェアをダウンロードし、感染したマシンを用いて他のネットワークやデバイスに対する攻撃を展開することができます。このような活動は企業のネットワークを通じて広がる可能性があり、組織全体のセキュリティインフラに対する大規模な脅威となり得ます。
個人情報漏洩の可能性
個人情報の漏洩は、ドライブバイダウンロード攻撃の中でも特に懸念されるリスクです。感染したデバイスから個人情報が盗まれると、その情報は不正な目的で使用されることがあります。例えば、オンラインでの詐欺、ID盗難、さらにはその情報を悪用した犯罪につながる恐れがあります。
ウイルス感染のリスク
ドライブバイダウンロード攻撃を通じて導入されるマルウェアは、コンピューターウイルスの形を取ることが多いです。このウイルスはシステムファイルを破損させたり、重要なデータを削除したりすることで、ユーザーのデバイスを不安定にし、最悪の場合は使用不能にすることがあります。
ドライブバイダウンロード攻撃の事例
ガンブラー攻撃
ガンブラー攻撃は、ドライブバイダウンロード攻撃の代表的な事例の一つです。この攻撃では、数多くの合法的なウェブサイトがハックされ、訪問者のコンピュータに悪意のあるソフトウェアが自動的にダウンロードされました。攻撃者はこれらのウェブサイトの脆弱性を利用し、訪問者に知られることなくマルウェアをインストールすることに成功しました。この事例では、何千ものウェブサイトが影響を受け、多数の個人データが盗まれる事態に至りました。
Android端末への攻撃
Android端末もドライブバイダウンロード攻撃の標的になります。例えば、あるマルウェアは、ユーザーが感染したアプリケーションをダウンロードするだけで、無断でデバイスにインストールされました。このマルウェアは、感染したデバイスから個人情報を抜き取り、外部のサーバーに送信する機能を持っていました。このような攻撃は、特に個人情報の保護が不十分なアプリケーションを通じて行われることが多いです。
RIGエクスプロイトキットを使った攻撃
RIGエクスプロイトキットは、複数の脆弱性を利用するドライブバイダウンロード攻撃のツールです。このツールを使用した攻撃では、悪意あるウェブサイトにアクセスしたユーザーのコンピューターが、さまざまな脆弱性を悪用され、自動的にマルウェアがインストールされました。このエクスプロイトキットは広く流通しており、多くのサイバー犯罪者によって使用されています。
ドライブバイダウンロード攻撃の対策
セキュリティソフトを導入する
コンピューターにセキュリティソフトウェアを導入することは、ドライブバイダウンロード攻撃を防ぐための基本的な対策の一つです。セキュリティソフトは、不審な活動を検出し、未知の脅威に対してもリアルタイムで保護を提供します。また、ウェブブラウジング時に安全でないサイトを識別し、アクセスを遮断する機能を持っていることが多いです。
不審なサイトにアクセスしない
不審なリンクやメールには特に注意が必要です。フィッシング詐欺や悪意ある広告からリンクされるサイトは、ドライブバイダウンロード攻撃の温床となるため、未知のリンクやメールには慎重に対応することが求められます。
OSやアプリケーションを常に最新の状態に保つ
オペレーティングシステムや使用しているアプリケーションの定期的なアップデートは、セキュリティを強化する上で非常に重要です。これにより、攻撃者が悪用可能な既知の脆弱性を修正し、システムを最新の状態に保つことができます。
従業員のセキュリティ意識向上
従業員に対して、潜在的なサイバー脅威の識別方法を教育し、不審なメールやリンクへの対応策を指導することで、内部からの情報漏洩や攻撃のリスクを軽減します。
これらの対策を実施することで、ドライブバイダウンロード攻撃のリスクを大幅に低減させることが可能です。最終的には、個人ユーザーも企業も、多層的なセキュリティ対策を施すことが、サイバー脅威から守るための最善の方法です。
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