情報漏洩は、企業にとって回避できない大きなリスクです。様々な原因によって発生するこの問題は、企業の信用や財務状況に深刻な影響を与えることがあります。この記事では、情報漏洩が起きた場合に想定されるリスクの種類、情報漏洩の主な原因、そして企業が取るべき予防策について詳しく解説します。

情報漏洩とは?

情報漏洩とは、企業が保有する機密情報や個人情報などが意図せずに外部に漏れ出すことを指します。この情報漏洩には、外部からのサイバー攻撃によるものや、内部からの不注意や意図的な行為によるものがあります。情報漏洩の危険性は企業の規模や業種を問わずあらゆる企業に存在します。中小企業も例外ではなく、サイバー攻撃の標的になり得ます​​。

情報漏洩発生で考えられる企業リスクの種類

主なリスクとして、不正アクセス、ID及びパスワードの流出、データ改ざん、そしてなりすまし被害が含まれます。特にテレワークの普及に伴い、企業はリモートアクセスによるセキュリティの脅威に対してより一層警戒する必要があります。これらのセキュリティリスクは企業の信頼性の低下、機密情報の漏洩、さらには法的責任に繋がる可能性があります。したがって、これらのリスクを理解し、適切な対策を講じることが極めて重要です。

社会的信用の損失

情報漏洩が発生すると、最も直接的に影響を受けるのが企業の社会的信用です。顧客や取引先からの信頼を失い、その結果、ビジネスの機会が失われる可能性があります。中小企業でも一度失った信頼を取り戻すことは困難でありその影響は致命的になり得ます​​。

損害賠償

情報漏洩によっては、被害を受けた第三者から損害賠償を請求されることがあります。特に、個人情報が漏洩した場合、その対応には莫大なコストがかかり、中小企業では経営を圧迫する可能性があります ​​。

刑事罰

重大な情報漏洩事件では、企業やその責任者が刑事罰の対象となることがあります。法令違反が認定された場合、罰金や業務停止、最悪の場合、拘束される可能性もあります ​​。

データ悪用

漏洩した情報が不正に悪用されるリスクもあります。顧客データが悪意のある第三者の手に渡った場合、その情報を使ってさらなる詐欺や犯罪が発生する可能性があります ​​。

なりすまし

情報漏洩によって企業の内部情報が外部に漏れると、その情報を使ったなりすましが発生することがあります。なりすましをされた企業は取引先や顧客との信頼関係に深刻なダメージを受けることになります ​​。

情報漏洩発生で想定される被害

情報漏洩が発生した際に企業が直面することとなる被害は多岐にわたります。これらの被害は、単に財務的な損失に留まらず、企業の評判や運営自体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。以下では、情報漏洩によって想定される主な被害について詳細に解説します。

企業の機密情報が外部に流出する

企業の機密情報が外部に流出した場合、競合他社による不正利用や、製品の模倣、企業戦略の漏洩など、甚大な被害が発生します。特に技術や開発情報が漏れた場合の影響は計り知れません 。

複合的な理由で企業の業績悪化や事業継続危機につながる

情報漏洩により顧客の信頼喪失、取引先からの取引停止、新規顧客の獲得困難など、企業業績の悪化につながります。これらは直接的な被害だけでなく間接的な損失も大きく、場合によっては事業継続自体が困難になることもあります 。

事後対応に人員とコスト、時間が割かれてしまう

情報漏洩の発生後、その対応には膨大な時間とコストが必要となります。復旧作業、被害の最小化、再発防止策の実施など、本来の事業活動からリソースが割かれることで、さらなる業績悪化の原因にもなり得ます 。

情報漏洩の原因

情報漏洩の原因には外部からの攻撃だけでなく、企業内部から生じるリスクも含まれます。これらの原因を把握し、対策を講じることが重要です。

外部要因

不正アクセス・サイバー攻撃による被害

サイバー攻撃は、情報漏洩の原因として最も一般的です。特に、ランサムウェア攻撃やフィッシング、標的型攻撃は、企業のセキュリティ対策を突破し、重要な情報を盗み出すことがあります。例えば、経済産業省が報告したランサムウェア攻撃は、被害企業のシステムを一時的に使用不能にし、重要なデータを盗み出す事例が増えています 。

マルウェアやウイルスへの感染

マルウェアやウイルスの感染も、企業内の情報が外部に漏れる原因の一つです。従業員がメールに添付されたファイルを開くことでマルウェアに感染し、その結果、企業内部のネットワークが侵害されるケースがあります。感染すると、不正なアクセスを許すドアが開くことで、外部の攻撃者による情報盗取のリスクが高まります 。

フィッシングによる被害

フィッシング攻撃は、偽のメールやWebサイトを通じて個人情報やログイン情報を盗み出す手法です。従業員がこれに騙されることで、企業の重要な情報が漏洩する原因となります。フィッシングメールは、正規のものと見分けがつきにくいため、従業員の教育が重要です。

内部要因

データの無断持ち出しによる漏洩

従業員によるデータの無断持ち出しは、意図的、または不注意から生じる内部要因による情報漏洩です。USBドライブやクラウドストレージを通じて重要なデータが外部に持ち出されると、企業の機密情報が流出するリスクがあります。内部監査やアクセス管理の強化が必要です。

データが含まれる媒体などの紛失による漏洩

従業員が業務用のラップトップや外部記憶媒体を紛失することも、情報漏洩の一因となります。特に、パスワード保護や暗号化が施されていない場合、紛失したデバイスから簡単に情報が取り出される恐れがあります。物理的なセキュリティ対策として、デバイスの管理徹底が求められます。

誤送信や誤操作による漏洩

メールの誤送信やファイル共有の際の誤操作によって、重要な情報が意図せず外部に漏れ出ることがあります。特に、複数の宛先に同時にメールを送信する際や、ファイル共有サービスの設定ミスが原因で発生することが多いです。従業員への継続的な教育と、送信前の確認プロセスの徹底が重要です。

情報漏洩の原因

従業員のセキュリティ意識向上(セキュリティトレーニング)

情報漏洩を防ぐ最前線は、従業員自身のセキュリティ意識の高さです。定期的なセキュリティトレーニングを実施し、フィッシングメールの見分け方やパスワード管理の重要性など、基本的なセキュリティ対策を徹底します。また、内部告発制度の設置も有効です。

自社環境の健康診断(脆弱性診断)

企業のシステムやネットワークに潜むセキュリティの脆弱性を定期的に診断し、修正することが重要です。外部のセキュリティ専門家による脆弱性診断を定期的に実施し未然にリスクを排除します。

高度なセキュリティツールの導入

最新のセキュリティソフトウェアの導入や、ファイアウォール、侵入検知システムなどのセキュリティ対策を強化します。また、データの暗号化やアクセス権限の厳格な管理も情報漏洩防止に寄与します。

セキュリティの専門家のアドバイスを受ける

定期的にセキュリティの専門家のアドバイスを受け、企業のセキュリティポリシーの見直しや、従業員への教育プログラムの更新を行います。外部の視点を取り入れることで、見過ごされがちな脅威にも対応できます。

情報漏洩は、企業にとって避けることのできない重大なリスクの一つです。しかし、適切な対策と従業員一人ひとりの意識向上により、そのリスクを最小限に抑えることが可能です。企業は情報セキュリティを継続的に強化し、変化する脅威に対応することが求められます。

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