フィッシング攻撃は古典的ながらも根強い脅威です。しかし、技術の進化は攻撃手法にも新たな変化をもたらしています。最近特に注目されているのが「PhaaS(フィッシング アズ ア サービス)」です。これは何か、その影響はどれほど深刻なのか、そして最も重要なこととして、私たちはどのようにして自己防衛すれば良いのでしょうか。

この記事では、PhaaSの概要と対策について解説します。

PhaaS(フィッシング アズ ア サービス)とは

PhaaS(フィッシング アズ ア サービス)は、サイバー犯罪者がフィッシング攻撃を実施するために必要なツールや情報をサービスとして提供するビジネスモデルです。これにより技術的なスキルがない者でも簡単にフィッシング攻撃を実行できるようになりました​​​​。PhaaSは、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)のビジネスモデルを採用しており、フィッシングキット(偽のログインページやウェブサイトなど)へのアクセスを提供します。攻撃者は、これらのツールを使用して信頼できる組織になりすまし、ユーザーから機密情報を盗み出すことができます。

なぜ、サイバー攻撃のビジネス化が流行しているのか?

サイバー攻撃のビジネス化が流行している理由は、その手軽さと高いリターンにあります。PhaaSは、攻撃の実施に必要な技術的なハードルを大幅に下げ、より多くの人々がフィッシング攻撃を試みる機会を提供しています​​。また、PhaaSの提供するフィッシングキットは、高度な技術知識を持たない者でも効果的なフィッシング攻撃を実行できるようにするため犯罪の専門化と効率化を促進しています​。

昨今、犯罪のビジネス化(アンダーグラウンドサービス)が増加しており、他にも以前の記事でご紹介したRaaS(Ransomware as a Service)やAaaS(Access as a Service)など、様々なサイバー攻撃が「ビジネス化」しており、今後もこの傾向が続いていくと考えられています。
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フィッシングの脅威への対策は?

フィッシング攻撃は、インターネットの普及と共に、個人や企業が直面するサイバーセキュリティ上の脅威の一つとして広く認識されています。これらの攻撃は、日常的に使用する電子メールやソーシャルメディアを通じて展開されます。フィッシングは被害者をだまして個人情報や財務情報を盗み出すために設計されています。これらの攻撃を軽減し防御するための有効な手段をいくつかご紹介します。

セキュリティツールの導入

フィッシング攻撃から保護するための最初のステップは、効果的なセキュリティツールの導入です。これには、アンチウイルスソフトウェア、ファイアウォール、メールスパムフィルターなどが含まれます。これらのツールは、不審なメールやウェブサイトをブロックし、ユーザーを保護するための重要な役割を果たします​​。

DMARCを使用してメールを認証する

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)は、メール送信者が正規のものであることを確認するための技術です。DMARCを使用することで、偽装メールの受信を防ぎ、組織のメールシステムの信頼性を高めることができます​​。

ソフトウェアを最新の状態に保つ

ソフトウェアの脆弱性は、フィッシング攻撃者にとっての主要な攻撃対象です。そのため、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアを常に最新の状態に保つことが重要です。これにより、既知のセキュリティ脆弱性を修正し攻撃者が利用することを防ぐことができます​​。

従業員のセキュリティ意識向上

従業員に対してフィッシングメールの見分け方や、不審なメールに遭遇した際の対処法を教育することが、フィッシング攻撃から組織を守るための鍵となります​​。

PhaaSによるフィッシング攻撃は、その手軽さと効果の高さから、今後もサイバー犯罪の一般的な手法として広がることが予想されます。しかし、上記の対策を講じることで、その脅威を大幅に軽減することが可能です。セキュリティ対策の強化と従業員の教育により、フィッシング攻撃から自身や組織を守りましょう。

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