日々新たなサイバー攻撃の脅威が出現し、企業や組織・個人の情報資産を脅かしています。
そのような背景から、「セキュリティインシデント」という言葉を耳にする機会が増えてきています。
今回はセキュリティインシデントの概要と実際に起きた場合、どのような被害が起こり得るのか、また起こさないためには何をすべきなのかについてお話いたします。

セキュリティインシデントとは

セキュリティインシデントとは、情報システムやネットワークにおいて、予期しないまたは意図しないセキュリティ上の出来事が発生した状態を指します。これには、「不正アクセス」「マルウェア(ウイルスやトロイの木馬など)の感染」「データ漏洩」「サービス妨害(DDoS攻撃)」など、組織の情報資産を脅かすあらゆる事象が含まれます。セキュリティインシデントは、企業や組織だけでなく、個人ユーザーにも重大な影響を及ぼす可能性があり、対策の必要性が高まっています。

セキュリティインシデントの発生要因と種類

セキュリティインシデントは様々な要因によって引き起こされます。主な発生要因は下記になります。

内的要因

内的要因とは組織内部から生じる要因です。従業員による意図的な不正行為、ミスや手違い、セキュリティポリシーの不備や遵守の欠如などがこれに該当します。内的要因によるインシデントは、組織の内部情報を深く知る者によって引き起こされるため、損害が大きくなりがちです。

外的要因

外的要因は、組織外部からの攻撃によって発生するセキュリティインシデントです。ハッカーやサイバー犯罪者による不正アクセス、ランサムウェア攻撃、フィッシング詐欺、標的型攻撃(APT攻撃)などが含まれます。外的要因によるインシデントは、攻撃者が高度な技術を用いることが多く、防御が困難な場合があります。

自然災害などの外部環境要因

自然災害や事故など、人の手によらない外部環境要因もセキュリティインシデントの原因となります。地震や洪水、火災などによって情報システムが損傷し、データが失われる、または漏洩する可能性があります。これらは防ぎようのない要因ですが、データバックアップや災害復旧計画の策定などによって、被害を最小限に抑えることが可能です。

セキュリティインシデントが起きるとどうなる?

セキュリティインシデントが発生すると、その影響は組織や個人にとって甚大なものとなり得ます。具体的には、以下のような損害が発生する可能性があります。

情報漏洩

セキュリティインシデントの中でも、特に深刻なのが個人情報や企業秘密などの機密情報の漏洩です。情報が漏洩すると、個人のプライバシーが侵害されるだけでなく、企業にとっては競争力の喪失や信用失墜に直結します。

財務的損失

ランサムウェア攻撃によるデータの暗号化や、不正アクセスによる金銭的な窃取など、直接的な金銭損失を伴うケースもあります。また、情報漏洩による損害賠償や、事故後の対応にかかる費用も大きな負担となります。

業務の停滞

システムが攻撃によりダウンした場合、業務が停滞し、その間の収益損失が生じます。復旧作業にも時間がかかり、その間の業務効率の低下は避けられません。

法的責任と規制違反

情報漏洩が発生した場合、GDPR(一般データ保護規則)や個人情報保護法など、適用される法律や規制に基づく罰則が科せられることがあります。これにより、罰金の支払いや、さらなる法的措置を受けるリスクがあります。

信頼性の低下

セキュリティインシデントは、顧客や取引先からの信頼を大きく損なう原因となります。一度失った信頼を取り戻すことは非常に困難で、長期的なビジネスへの影響が懸念されます。

被害事例を見ると事前の予防策がいかに重要かがわかります。最新のセキュリティ技術を導入し、従業員の教育に力を入れ、定期的なリスクアセスメントを実施することで、これらのリスクを最小限に抑えることができます。

実際に起きたセキュリティインシデント

セキュリティインシデントが企業や組織に与える影響は計り知れません。一見小さなミスや脆弱性が原因で起こることもあれば、高度に計画された攻撃によって引き起こされることもあります。

どのような形であれ、セキュリティインシデントが起きた場合には、多岐にわたる深刻な被害が予想されます。下記関連記事では、実際に起きた情報漏洩事例をまとめています。ぜひ目を通していただけますと幸いです。

セキュリティインシデントの事前対策

セキュリティインシデントを未然に防ぐため、または発生した際の影響を最小限に抑えるための事前対策は非常に重要です。以下に、効果的な事前対策を紹介します。

情報セキュリティ体制の整備

情報セキュリティ管理体制を整えることが基本です。これには、セキュリティポリシーの策定、組織内のセキュリティ責任者の指名、定期的なリスクアセスメントの実施などが含まれます。また、インシデント発生時の対応プロセスを明確にし、迅速かつ適切に対処できる体制を構築することが求められます。

セキュリティツールの導入で安全性を高める

ファイアウォール、アンチウイルスソフトウェア、侵入検知システム(IDS)、侵入防御システム(IPS)、マルウェア対策ツールなど、多層的なセキュリティ対策を実施します。これらのツールは、外部からの攻撃や内部からの脅威を検知し、防御するのに役立ちます。

情報資産の把握

組織が保有する情報資産を正確に把握し、その重要度に応じて適切な保護措置を講じることが重要です。情報資産の分類、重要資産の特定、アクセス権限の管理などを行い、機密情報の漏洩リスクを最小限に抑えます。

従業員の教育

セキュリティインシデントの多くは、従業員の不注意や知識不足が原因で起こります。従業員に対する定期的なセキュリティ教育や訓練を実施し、セキュリティ意識を高めることが重要です。フィッシング詐欺への対応、パスワード管理の基本、セキュリティ対策ツールの使用方法など、実践的な知識を提供しましょう。

これらの対策を適切に実施することで、セキュリティインシデントのリスクを大幅に軽減することが可能です。しかし、完全な防御は不可能であるため、常に最新の脅威情報を把握し、対策を更新していく柔軟な姿勢も求められます。

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