近年、サイバーセキュリティとプライバシーに対する関心が高まっています。その中で、サードパーティCookieの廃止は重要なトピックです。
サードパーティCookieとは、一方のWEBサイトが別の企業にユーザーのオンライン行動を追跡させる技術です。この廃止は個人のプライバシー保護を強化し、より安全なオンライン環境を推進する一環として注目されています。 サードパーティCookieの廃止は、オンライン広告業界やデータ収集の方法に大きな変化をもたらしますが、これはサイバーセキュリティの観点からも重要です。
一般的に、サードパーティCookieの廃止は個人のプライバシーを尊重し、サイバー犯罪からの保護を強化する一歩となります。 企業としてはこの変化に対応するためにセキュリティ対策を再検討し、従業員の教育や新しい脅威に対する警戒を怠らないことが重要です。データのプライバシーとセキュリティの保護は、今後も継続的な注力が必要な分野であり続けるでしょう。
そもそもcookie(クッキー)とは?
Cookie(クッキー)は、インターネットを利用する際に重要な役割を果たす小さなデータファイルのことです。具体的には、WEBサイトを訪れた際にそのサイトからユーザーのブラウザに送られ、ユーザーのコンピュータに保存されるテキストファイルのことを指します。
cookieの主な機能は、ユーザーのWEBサイト訪問履歴や設定を記憶することにあります。
例えば、オンラインショッピングサイトでカートに商品を入れた後、そのページを離れてもカート内の商品が保持されるのはcookieのおかげです。また、ログイン情報を記憶しておくことで毎回ログイン情報を入力する手間を省くこともできます。
一方で、cookieはプライバシーに関わる情報を含むこともあるためセキュリティ上の懸念も指摘されています。 特に、サードパーティcookieと呼ばれる、訪れたサイト以外の第三者によるcookieは、ユーザーの行動を追跡しターゲット広告に利用されることがあります。
セキュリティやプライバシーを保護するためには、ブラウザの設定でcookieの受け入れを管理したり、定期的にcookieを削除するなどの対策が有効です。また、最近ではプライバシー保護のためにクッキーを制限する動きも見られます。 ここではcookieに関する基本的な仕組みやメリットを改めてご紹介します。
cookieの基本的な仕組み
CookieはWebサイトがブラウザを通じてユーザーのコンピュータに一時的に保存する小さなデータファイルです。
これにより、サイトはユーザーの訪問履歴や設定を記録し、後の訪問時にこれらを参照できます。
Cookieはユーザーの利便性を向上させる一方で、Webサイトがユーザーの行動を追跡しやすくする手段としても機能します。
cookieのメリット
Cookieの最大のメリットは、パーソナライズされたブラウジング体験の提供です。
上述していますが例えば、ログイン情報の記憶やショッピングカートの状態を保持することが可能です。また、ユーザーの好みに基づいた広告の表示や、サイト内のナビゲーションを容易にするなど、Webサイトのユーザビリティ向上にも貢献します。
cookieの種類
WEBサイトを利用しやすいものにするCookieには、「ファーストパーティ」と「サードパーティ」の2種類があります。 どちらも同じようにサイトを訪れた際に訪問者の情報を記録するものですが、それぞれの違いは「Cookieを発行する場所」です。 個人情報を扱うCookieにおいて、情報漏洩の観点からどこがCookieを発行して利用しているのかは注意を向ける必要があります。
ファーストパーティーcookie
ファーストパーティーcookieは、ユーザーが直接訪問しているWEBサイトによって生成されるクッキーです。これらのcookieはそのサイトのドメインから直接発行されるため「ファーストパーティー」と呼ばれます。
例えば、ユーザーが「example.com」を訪問した場合、このサイトによって生成されたcookieはファーストパーティーcookieになります。主な目的は、ユーザーの設定の保存、ログイン状態の維持、サイトのナビゲーションの改善など、ユーザーのサイト利便性を向上させることです。
サードパーティーcookie
サードパーティーcookieは、ユーザーが直接訪問しているWEBサイト以外の第三者(外部の企業や組織)によって生成されるクッキーです。これらは、一般的に広告やコンテンツのトラッキング、分析目的で使用されます。
例えば、あるWEBサイトに訪れた際、そのサイトに表示される広告がサードパーティーの広告ネットワークによって提供されていると、その広告ネットワークはユーザーの行動を追跡するためにサードパーティーcookieを設定することがあります。
これにより、広告ネットワークはユーザーが異なるサイトを訪問しても追跡し、ターゲット広告を表示することができます。
これらのcookieの違いは主に発行元の違いにあり、ファーストパーティーcookieはよりユーザー体験に関連し、サードパーティーcookieは主に広告や分析に利用されます。
cookieのデメリット(セキュリティリスク)
CookieはWEB体験を向上させるために広く使用されていますが、セキュリティ上のリスクも伴います。主な懸念点は以下の通りです。
プライバシー侵害
Cookieはユーザーのブラウジングの習慣を追跡し、個人に関する情報を収集することができます。
これによりユーザーのプライバシーが侵害される可能性があります。例えば、特定のサイト訪問履歴や検索履歴などが外部に漏れ、個人の好みや行動が追跡されることになります。
セキュリティ攻撃のリスク
Cookieはセッションハイジャックの脆弱性を持っています。攻撃者がユーザーのCookieを盗むことに成功すれば、そのユーザーとしてWEBサイトにアクセスすることが可能になります。
これは、特にオンラインバンキングやショッピングサイトなど、敏感な情報を扱うWEBサイトでのリスクが高まります。
クロスサイトスクリプティング(XSS)
Cookieを悪用したXSS攻撃も懸念されます。攻撃者は悪意のあるスクリプトをWEBページに挿入し、そのページを訪れたユーザーのCookie情報を盗み出すことができます。これにより、ユーザーアカウントの乗っ取りなどの深刻なセキュリティ侵害が発生するリスクがあります。
サードパーティCookieの問題
サードパーティCookieは、広告やトラッキングサービスなど元のWEBサイト以外のソースから来るCookieです。これらはユーザーが訪れたWEBサイトを越えて追跡を行い、プライバシー侵害の可能性や不要な広告表示につながります。
サードパーティcookie廃止の動向
サードパーティーcookieの廃止は、ユーザーのプライバシー保護とセキュリティ強化を目指す重要な動向です。Google Chromeでは2024年後半にサードパーティーcookieの廃止が予定されています。
これは、オンラインプライバシーへの懸念が高まる中で、より透明性の高いオンライン広告モデルへの移行を促す重要なステップとされています。
サードパーティクッキー廃止に向けた対策
サードパーティcookieの廃止に対応するため、リテールメディアやファーストパーティデータの活用が重要となります。
プライバシーを尊重しつつ、パーソナライズされた広告やサービスを提供する新しい方法が求められます。ファーストパーティーcookieの利用強化や、AIや機械学習を活用したデータ分析など、より洗練されたパーソナライゼーション手法の開発も進行中です。
まとめ
サードパーティcookieの廃止により、より安全で信頼性の高いオンライン体験が期待される一方で、広告業界などには大きな変革が求められています。サイバーセキュリティの観点からも、この動向は注視すべき重要なトピックです。
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