サイバー攻撃の手法は日々進化しており、ワームウイルスもその例外ではありません。従来のワームは単にシステムを妨害することが主な目的でしたが、最近ではデータ窃取や他のマルウェアへの感染ルートとして機能するケースが増加しています。また、IoTの普及に伴い、これらのデバイスがワームの新たな標的になりつつあります。IoTデバイスは往々にしてセキュリティが軽視されがちで、一度感染すると広範囲にわたるネットワークへと脅威が広がりやすいのです。
本記事では、ワームウイルスの概要と感染経路、対応法を解説します。
ワームウイルスとは?
ワームウイルスは、ネットワークを介して自己複製し他のシステムに自動的に拡散する能力を持つマルウェアの一種です。このウイルスは、自らのコピーを作成し、ネットワーク上で他のデバイスへと感染を広げます。ワームウイルスの危険性は、その自己複製能力と無差別感染にあります。ユーザーの介入なしに感染が広がるため、一度発生すると迅速な対応が求められます。
ワームウイルスの歴史は古く、1980年代後半から存在していますが、インターネットの普及とともにその脅威は拡大しています。 ワームウイルスの特徴は、他のマルウェアと比較しても特に顕著です。最も重要な特徴は、自立した動作と高速な拡散能力です。このウイルスは、メールシステム、ネットワークサービス、ファイル共有システムなど、様々な方法で拡散します。さらに、ワームウイルスはシステムのリソースを消費し、ネットワークの帯域を圧迫することで被害をもたらします。
ワームウイルスの感染経路
ワームウイルスは、他のコンピューターへの自動拡散能力を有するマルウェアの一種です。
その感染経路は多岐にわたりますが、以下のものが主なルートとされています。
メールからの感染
ワームウイルスは、メールの添付ファイルやリンクを介して拡散することがよくあります。
ユーザーがこれらを開いた瞬間、ウイルスがシステムに侵入し感染が広がります。特に、ビジネスや個人間のコミュニケーションに広く利用されるメールシステムは、ワームウイルスの主なターゲットとなり得ます。
ネットワークからの感染
ネットワーク経由で他のシステムに自動的に拡散します。これは、セキュリティの脆弱性を悪用して未保護のシステムに侵入し、そこからさらに広範囲に感染を広げることを意味します。特に、大規模な企業ネットワークや公共のWi-Fiネットワークは、ワームウイルスにとって理想的な拡散環境です。
共有フォルダからの感染
共有されているファイルやフォルダを介して、ワームウイルスが感染を広めるケースもあります。特にオフィス環境やホームネットワークで共有されるドキュメントやメディアファイルは感染の媒介となり得ます。
USBメモリなどの外部ドライブからの感染
USBメモリや外部ハードドライブなどのリムーバブルメディアを介してワームウイルスが拡散することもあります。これらのデバイスを複数のコンピューターで共有することは、感染を拡散するリスクを高めます。
ワームウイルスに感染した場合の想定される被害
ワームウイルスに感染すると、様々な被害が発生する可能性があります。以下はその一例です。
個人情報や機密情報の窃取
ワームウイルスは、感染したコンピューターから個人情報や企業の機密情報を盗み出すことがあります。これにより、プライバシーの侵害や企業のセキュリティリスクが生じることになります。
身に覚えのないメールの送信やSNSでの投稿
ワームウイルスは、ユーザーのメールアカウントやソーシャルメディアを乗っ取り、さらなる感染の拡大を図ることがあります。これにより、ユーザーの評判や信頼性が損なわれる可能性があります。
別のマルウェアへの感染
ワームウイルスはシステムのセキュリティを弱め、他のマルウェアが侵入しやすい環境を作り出します。これにより、ランサムウェアやスパイウェアなどのさらに危険なマルウェアに感染するリスクが高まります。
PCの動作の低下や停止
ワームウイルスによる自己複製活動は、大量のシステムリソースを消費します。これにより、PCの動作が著しく低下したり、最悪の場合はシステムが完全に停止することもあります。
ワームウイルスの対策方法
ワームウイルスから身を守るためには、効果的な予防策と迅速な対応が必要です。以下はその具体的な対策方法です。
EDRを導入する
エンドポイント検出・対応(EDR)ソリューションは、エンドポイントデバイスで発生する疑わしい活動を監視し、リアルタイムで対応するための重要なツールです。これにより、ワームウイルスの感染拡大を早期に防ぐことができます。
OSやソフトウェアを最新の状態にしておく
Windows、macOS、JavaなどのOSおよびソフトウェアを常に最新の状態に保つことは、新たに発見されたセキュリティ上の脆弱性を排除するために非常に重要です。OSやソフトウェアが持つセキュリティホールは、ワームによる攻撃の一般的な入り口です。
アンチウイルスソフトを導入する
セキュリティソフトは、多くのマルウェア情報を記録しており、大半のワームを防ぐことができます。セキュリティソフトからの警告には、必ず対応することが重要です。
不審なメールに注意する
知り合いからのメールであっても、添付ファイルやリンクには注意が必要です。特に「vbs」、「bat」、「exe」などの拡張子はワームに利用されやすいため、警戒が必要です。取引先や顧客を装ったフィッシングメールも一般的な感染経路です。
怪しいサイトを閲覧しない
掲示板やSNSに掲載されたURLには、マルウェアが仕込まれている可能性があります。通常利用するサイトであっても、変更された内容や異常な振る舞いには注意し、リンク先を確認することが大切です。
ワームウイルスからの保護には、これらの対策を総合的に実施することが重要です。予防策を講じることで、感染リスクを最小限に抑えセキュリティを確保することが可能です。常に警戒を怠らず、最新のセキュリティ対策に留意することが、ワームウイルスによる被害を防ぐ鍵となります。
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