昨今のサイバー攻撃情勢は目まぐるしく変化しており、アドウェアはその脅威の一つとして浮上しています。
アドウェアというと、一見しただけでは単なる迷惑な広告のように思えますが、実際にはユーザーのデバイスに潜んで様々な問題を引き起こす可能性を秘めています。特に、パーソナルデータの保護とプライバシーの重要性が高まる現代においては、アドウェアのような潜在的な脅威に対しても、高い警戒と適切な対策が求められています。

本記事では、アドウェアの概要、一般的な感染経路、感染によって想定される被害、感染の兆候、そして効果的な対策や予防方法について詳しく掘り下げていきます。

アドウェアとは?

アドウェアは、ユーザーのコンピュータやデバイスに広告を表示するソフトウェアです。一部のアドウェアは、広告表示を超えて個人情報を不正に収集し外部に送信するマルウェアとしての特性を持っています。このようなアドウェアは、攻撃者によって利用され、外部のWebサイトへの不正アクセスやなりすましに悪用される可能性があります​​。
※アドウェアはマルウェアの一種ですが、悪意のないアドウェアもあるため、すべてがマルウェアだとは言えません。

アドウェアの一般的な感染経路

アドウェアは、さまざまな方法でデバイスに侵入します。
代表的な感染経路を知ることで、アドウェアの予防に役立てることができます。

無料ソフトのインストール

無料ソフトウェアのインストール時には特に注意が必要です。対話形式でのインストールプロセス中に、アドウェアのインストールオプションが提示されることがあります。このとき、不要なアドウェアのインストールを避けるため、一つひとつの内容を慎重に確認する必要があります​​。

ブラウザのアドオンやプラグインのインストール

ブラウザのアドオンやプラグインをインストールする際にもアドウェアが同時にインストールされることがあります。これらの拡張機能を使用する際に、バックグラウンドでアドウェアもインストールされてしまうケースがあります​​。

広告やポップアップのクリック

ウェブサイトの広告やポップアップをクリックすることでアドウェアに感染することがあります。特に、「ウイルスに感染しました」といった警告文言を含むポップアップは注意が必要です。これらの広告はアドウェアのインストールを促し、クリックすることで感染する恐れがあります​​。

WEBサイトの閲覧

特定のウェブサイトの閲覧だけでアドウェアに感染することもあります。
リンクをクリックしたり、アンケートに回答したりすることで感染する場合があります​​。

アドウェア感染によって想定される被害

アドウェアに感染すると、さまざまな被害に遭う可能性があります。

バックグラウンドで情報を送信される

アドウェアの中には、バックグラウンドで個人情報を不正に収集し、外部に送信するタイプも存在します。これにより、個人情報が漏洩し、攻撃者による不正アクセスやなりすましの危険が生じる可能性があります​​。

ツールバーや拡張機能が追加される

アドウェアによって、ブラウザに見慣れないツールバーが強制的に追加されることがあります。これにより、ブラウザの画面が狭くなり、視認性が低下します。アドウェアが削除されていない場合、一度削除しても再びツールバーが復活することがあります​​。

ホームページが変更される

アドウェアによって、ブラウザのホームページが強制的に変更されることがあります。自分で設定したページと異なるホームページに変更されると、利用者は困惑します。手動でホームページを再設定しても、アドウェアが原因で再度変更される可能性があります​​。

ポップアップが表示される

アドウェアに感染すると、デスクトップにポップアップ広告が表示されることがあります。これらの広告は閉じても次々に新しい広告が表示され、デスクトップに常駐する状態になることがあります。広告の内容には、公序良俗に反するものが含まれていることもあり、不快な感じを与えます​​。

アドウェア感染の兆候

アドウェア感染の兆候には以下のようなものがあります。

コンピュータのアドウェア感染の兆候

  • ブラウザのホームページが勝手に変更される
  • ポップアップ広告が頻繁に出現する
  • ブラウザに見慣れないツールバーが追加される
  • ソフトウェア購入を促すメッセージが表示される

これらの症状が見られる場合は、アドウェア感染の可能性があります​​。

スマートフォンのアドウェア感染の兆候

  • 予期せずブラウザが起動し、特定のウェブサイトにリダイレクトされる。
  • スマートフォンの動作が遅くなり、アプリケーションの応答が遅れる。
  • データ使用量が通常よりも大幅に増加する。
  • スマートフォンのバッテリーの消耗が異常に早い。

これらの兆候は、アドウェアが背後で動作しリソースを消費している可能性があることを示しています。

アドウェアの対策/予防方法

アドウェアの脅威から身を守るためには、次の対策や予防方法が効果的です。

セキュリティソフトの導入

セキュリティソフトは、アドウェアを含むマルウェアからデバイスを保護する重要なツールです。定期的なアップデートを行い、最新の脅威に対応できるようにすることが重要です。これにより、アドウェアのインストールを防ぐことができます​​。

信頼できるソフトウェアやアプリケーションを利用する

ソースが不明なソフトウェアやアプリケーションのダウンロードは避け、公式のアプリストアや信頼できるソースからのみアプリケーションをダウンロードすることが重要です。特に無料ソフトウェアやアドオン、プラグインには注意が必要で、インストール前に提供元を確認し、必要な場合のみインストールすることが推奨されます。

怪しいサイトにアクセスしない

不審なウェブサイトや信頼性の低いオンライン広告からのリンクには特に注意が必要です。これらのサイトは、アドウェアを含むマルウェアの感染源となることがあります。また、不審なウェブサイトへのアクセスは、クリックジャッキングなどの攻撃につながる可能性があります​​。

迷惑メールや広告のクリックに注意

「ウイルスに感染しました」といった警告を含むポップアップ広告や、迷惑メール内のリンクはクリックしないことが重要です。これらはアドウェアをインストールするためのトリックであり、クリックすることで感染するリスクが高まります​​。

アドウェアは、ユーザーのデバイスに不便やリスクをもたらすため、注意深く対策を講じることが重要です。定期的なセキュリティチェックと予防策を実施することで、アドウェアの脅威からデバイスを守ることができます。

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