Emotet(エモテット)は特に警戒が必要なマルウェアの一つです。
この記事では、Emotetがどのようにしてデバイスに感染し、どのような影響を与える可能性があるのかを紹介します。また、最近のEmotetの活動状況と、これに対する有効な対策方法についても詳しく解説します。

Emotet(エモテット)とは?

Emotetはマルウェアの一種で、特にメールを介した攻撃で知られています。2022年からEmotetが沈静化した状態が続いていましたが、2023年から再び猛威を振るい始めています。

Emotetには日本語が使用されているものもあり、日本国内の企業や組織も標的となっています。 2023年3月以降、攻撃の手法に大きな変化はありませんが、新たに500MBを超えるWord文書ファイルを含むZIPファイルが添付されているケースが確認されており、これはセキュリティソフトの検知回避を狙ったものと思われます​​。

ここでは、Emotetの基本的な特徴から感染経路、そしてもたらす危険性について細かく解説します。

Emotetの概要

Emotetはもともと「バンカートロイの木馬」として知られ、ユーザーの銀行情報を盗むために使用されていました。しかし、時間が経つにつれてその機能は進化し、現在では多くのセキュリティシステムを迂回する能力を持つ高度なマルウェアとなっています。

Emotetの感染経路

Emotetの主な感染経路はフィッシングメールです。これらのメールには、通常、添付ファイルやリンクが含まれており、それらをクリックすることでマルウェアがコンピュータにインストールされます。被害者は知らず知らずのうちにマルウェアをダウンロードし、感染させてしまうのです。

Emotetがもたらす危険性

Emotetは、その多機能性と攻撃の巧妙さから、サイバーセキュリティにおいて重大な脅威となっています。ここでは、Emotetがもたらす具体的な危険性について詳しく探ります。

Emotetは感染した端末の情報を盗み出すだけでなく、他のマルウェアを招き入れる扉を開く可能性があります。さらに、ネットワークを介して迅速に拡散し、企業や機関全体のセキュリティリスクを高めることもあります。この深刻な脅威を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

他のマルウェアにも感染する

Emotetは他のマルウェアをダウンロードし、インストールする機能を持っています。これにより、感染したコンピュータは他の種類のサイバー攻撃にも弱くなります。

他の端末にもEmotetが伝染する可能性

Emotetはネットワークを介して他のコンピュータにも感染を広げる能力があります。これにより、一つの端末の感染が企業全体のセキュリティリスクにつながる可能性があります。

重要な情報を盗み取られる

Emotetに感染すると、重要な個人情報や業務情報が外部に漏洩する危険があります。

Emotet対策方法

Emotetの脅威から身を守るためには、次のような対策が効果的です。

セキュリティツールの活用

アンチウイルスソフトウェアを最新の状態に保ち、定期的にシステムスキャンを行うことが重要です。

メールの慎重な開封

不審なメールや添付ファイル、リンクには特に注意し、信頼できる送信元からのものであっても慎重に確認する必要があります。

マルウェア対策の設定

メールシステムやWebブラウザのセキュリティ設定を強化し、不審な活動を検知するようにすることが効果的です。

ネットワークのセキュリティ強化

社内ネットワークにおけるセキュリティを強化し、不正アクセスやマルウェアの侵入を防ぐための措置を講じることが重要です。

Emotetの被害事例

実際に発生したEmotetの被害事例を紹介します。これらの事例を通じて、Emotetの脅威の実態とそれによってもたらされる具体的な影響を理解することができます。

被害事例①:株式会社エイチ・アイ・エス

2022年3月7日、同社PCが攻撃メールを受信し、「Emotet」と考えられるウイルスに感染したことが判明。 初動対応として該当するPCをネットワークから遮断し外部からのアクセス制限を実施。
同社とメール連絡を行ったことがあるユーザーに対し、不審なメールを受信した場合は速やかに削除するよう注意喚起を実施した。

引用:弊社を装った不審メールに関するご注意のお知らせ

被害事例②:国立大学法人 室蘭工業大学

2022年6月24日、教職員3名のPCが「Emotet」に感染し同大学のメールサーバーがSPAMメールの送信に利用されるという事案が発生したと発表。
初動対応として、PCをネットワークから遮断し・ウイルス駆除を実施。PCのユーザー認証情報を変更したことで不正送信は停止した。 なお、送信された不正メール件数は3名分のPC合計で約8,300件。

引用:マルウェア感染が原因と思われる本学メールアドレスを悪用したメール送信のお詫びについて

これらの事例からわかるように、Emotetは企業や公共機関にとって深刻なセキュリティリスクをもたらし、その対策は喫緊の課題です。最新のセキュリティ対策を講じ、定期的な教育と訓練を実施することが、Emotetの脅威から身を守るために不可欠です。

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