情報セキュリティとサイバーセキュリティの違いとは?自社のセキュリティ対策を網羅的に解説します。情報セキュリティとサイバーセキュリティの具体的な意味や対策方法を知り、セキュリティ強化に役立てていただけますと幸いです。

▮サイバーセキュリティと情報セキュリティの違いとは

サイバー攻撃の脅威は中小企業にまで広がり始め、組織におけるセキュリティ対策への関心が高まっています。そこで目にするのが、「サイバーセキュリティ」と「情報セキュリティ」という2つの言葉。意味がよく似ているので混同されがちですが、セキュリティ対策を進める際には、違いをしっかり意識しなければなりません。

まず、「サイバーセキュリティ」の意味から見ていきましょう。2014年11月に成立した「サイバーセキュリティ基本法」の第二条にその定義があり、要約すると「電磁的方式(注:ITのこと)において、情報の機密性・完全性・可用性が維持・管理されていること」とされています。

一方、「情報セキュリティ」は情報セキュリティマネジメントシステムの管理基準「JIS Q 27002(ISO/IEC 27002)」にて、「情報の機密性・完全性・可用性を維持すること」と定義されています。たとえば、情報漏洩を防いだり、いつでも使える状態にしておくことが、情報セキュリティにあたります。

つまり、この2つの言葉の関係性は、ITかそうであるかにかかわらず広い意味で情報を管理する意味での「情報セキュリティ」という言葉があり、その中に、IT環境にまつわるセキュリティの言葉として「サイバーセキュリティ」があるのです。

また、「情報セキュリティ」では、先にも触れたように情報漏洩を防ぐ、情報を守る、など情報の扱い方そのものについて考えていきますが、「サイバーセキュリティ」ではサイバー攻撃の脅威となる存在への対処法を考えます。また、外部からの攻撃による情報漏洩のみならず、内部からの不正持ち出しもサイバーセキュリティに含まれます。

▮サイバーセキュリティの脅威と被害

サイバーセキュリティの脅威は、現代社会において深刻な懸念事項となっています。インターネットの普及とテクノロジーの進歩に伴い、サイバー攻撃者は新たな手法で個人や組織に害を及ぼすことが増えています。ここでは、特にマルウェア・ランサムウェア、標的型攻撃、不正アクセス、内部不正といった主要なサイバーセキュリティの脅威とそれによる被害に焦点を当ててご説明いたします。

①マルウェア・ランサムウェアとは

マルウェア(Malware)は、悪意のあるソフトウェアの総称で、コンピュータシステムやネットワークに被害をもたらす主要なサイバーセキュリティ脅威の一つです。マルウェアは、ウイルス、ワーム、スパイウェア、アドウェア、トロイの木馬などさまざまな形態で存在し、感染したデバイスやネットワークに異常な動作を引き起こすことがあります。 マルウェア攻撃は、組織や個人に深刻な被害をもたらす可能性があり、被害は以下のように表れることがあります。

  • データの漏洩 マルウェアは機密データや個人情報を盗む可能性があります。この情報は不正な活動や詐欺に悪用される可能性があります。
  • データの暗号化と身代金要求 ランサムウェアはファイルを暗号化し、被害者に身代金を要求します。身代金を支払わなければ、ファイルは永遠に失われる可能性があります。
  • システムのダウンタイム マルウェア感染により、システムやネットワークがダウンする可能性があります。これにより生産性が低下し、経済的損失が発生します。

②標的型攻撃とは

標的型攻撃(Targeted Attacks)は、特定の組織や個人を狙った高度なサイバー攻撃です。攻撃者は綿密な情報収集を行い、カスタマイズされた攻撃を実行します。標的型攻撃の主な特徴は、攻撃者が特定の目標に焦点を当てていることです。 標的型攻撃は、組織に深刻な被害をもたらす可能性があります。被害は以下のように表れることがあります。

  • 知的財産の窃取 攻撃者は組織の機密情報や知的財産を窃取する可能性があります。これにより競争上の不利益が生じます。
  • 業務の中断 システムやネットワークへの攻撃により、業務が中断し、組織に重大な経済的損失をもたらす可能性があります。

③不正アクセスとは

不正アクセス(Unauthorized Access)は、サイバーセキュリティの世界での深刻な脅威の一つです。これは、不正な手段を用いてシステムやネットワークに侵入し、機密情報を盗み出す行為を指します。以下は、不正アクセスの主な特徴と被害についてです。

  • 機密情報の漏洩 攻撃者による不正アクセスは、組織の機密情報の漏洩を引き起こし、競争上の不利益が生じるおそれがあります。
  • 業務の中断 システムやネットワークへの攻撃により、業務が中断し、組織に重大な経済的損失をもたらす可能性があります。

不正アクセスに対抗するために、組織は適切なセキュリティ対策を実施し、アクセス制御の強化、セキュアなパスワードポリシーの実施、2要素認証の導入などが重要です。また、セキュリティ意識の向上と定期的な監視も不可欠です。

④内部不正とは

内部不正(Insider Threats)は、組織内部からのサイバーセキュリティ脅威を指します。これは、従業員や内部関係者による悪意のある行動や誤った行動によって引き起こされる脅威です。以下は、内部不正の主な特徴と被害についてです。

  • 機密情報の悪用 内部不正は、組織内で信頼性のある者によって実行されることが多く、検出が難しい特徴があります。 内部不正者による機密情報の悪用は組織に損害を与え、競争上の不利益をもたらす可能性があります。
  • 組織内部の不信感 内部不正は、組織内での不信感を引き起こし、従業員間の信頼関係に悪影響を及ぼす可能性があります。 内部不正に対抗するために、組織はアクセス制御を厳格に実施し、内部の監視とログ記録を強化することが不可欠です。さらに、従業員に対するセキュリティ意識向上の教育と訓練も必要です。

▮サイバーセキュリティの強化:EDRとSOCの役割と重要性

サイバーセキュリティは、現代のデジタルビジネスにおいて極めて重要です。悪意あるサイバー攻撃は日々進化し、組織や個人のデータ、リソース、プライバシーを脅かす存在となっています。そのため、効果的なセキュリティ対策の導入が不可欠です。ここでは、EDRとSOCという重要なセキュリティツールの役割と重要性に焦点を当てます。

①EDR(Endpoint Detection and Response)とは

EDR(Endpoint Detection and Response)とは、ユーザーが利用するパソコンやサーバー(エンドポイント)における不審な挙動を検知し、迅速な対応を支援するセキュリティソリューションです。 エンドポイント(デバイスやコンピュータ)を監視し、不審な挙動を検出し、侵入やマルウェア感染の兆候を識別し、脅威を早期にブロックします。 デバイス上での脅威の駆除と修復を行い、セキュリティを回復させます。 EDRの重要性 EDRはリアルタイムの脅威検出と対応を可能にし、サイバーセキュリティを強化します。 攻撃の追跡と分析により、セキュリティの脆弱性を特定し、ユーザーデバイスやネットワークエンドポイントの保護において不可欠な役割を果たします。

②SOC(Security Operations Center)とは

SOCはサイバー攻撃の検知や分析を行い、対策を講じる専門組織です。 セキュリティに関するアラートを分析し、潜在的な脅威を識別・対応策を立てます。 セキュリティインシデントの対応を迅速に行い、被害を最小限に抑えます。 SOCの重要性 SOCはサイバーセキュリティの中枢であり、攻撃の早期発見と迅速な対応を担保します。 不審な挙動の監視と分析により、組織全体のセキュリティレベルを向上させます。 セキュリティインシデントへの対応計画の策定と遂行を担当し、リスクを最小限に抑えます。 EDRとSOCの協力 EDRとSOCは協力して効果的なサイバーセキュリティを実現します。EDRはエンドポイントの保護を強化し、SOCは全体的なセキュリティの監視と対応を行います。情報共有と連携により、攻撃の早期発見と対策が実現され、サイバーセキュリティが一層強化されます。

▮サイバーセキュリティ対策を徹底するために

サイバーセキュリティという言葉が示す意味は広範に渡るものの、近年この言葉が最もよく使われるのは、サイバー攻撃への対策を考える時ではないでしょうか。不正アクセスや、偽のサイトへ誘導するフィッシング詐欺、外部からの不正アクセスでコンピューターを操作不能にして、操作復旧を引き換えに身代金を要求するランサムウェアなど、サイバー攻撃は高度化・巧妙化しています。EDRやSOCなどを導入したサイバーセキュリティについて、この機会に考えてみてはいかがでしょうか。

▮アクトのEDR+SOC「セキュリモ」

アクトではEDR+SOCサービス「セキュリモ」をご提供しています。第三者検証テストで最も権威あるMITRE社の調査でトップクラスの検知率・防御率と評価されたEDR「SentinelOne」を、極めて専門性の高い当社SOCチームが運用いたします。サイバーセキュリティ対策にお悩みの方は、是非お問い合わせください。

Text/株式会社アクト サイバーセキュリティ事業部

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アクトはEDR・SOCをはじめ、IPA認定『データお守り隊』や総合ID管理ソリューション『JumpCloud』をなど、厳重なサイバーセキュリティ対策を提供しております。

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