東京都調布市議会の「田村ゆう子」市議が、市議会議員専用のクラウドサービスのログイン情報を元市議の男性に伝え、不正ログインを招いていたことが明らかにった。

概要

問題が発覚したのは3月12日の市議会本会議中のことで、田村市議のアカウントから他の議員や市職員に対し「クラウド上の文書を見るように」との通知が送信された。
不審に思った議会事務局が田村市議に確認したところ、田村市議は「自分が操作したものではない」と説明。
その後、元市議の男性にログイン情報を教えていたことを認めた。
田村市議から情報を得た元市議の男性は、自宅などからクラウドにアクセスし、市の行政資料を閲覧していたことが判明。
さらに議会関係者の証言では、元市議の男性はこれまでも会派控室のパソコンを使い、クラウドにログインしていた可能性があるという。
このクラウドには、市の事業説明資料や議案書など、議会運営に関する重要な文書が保存されており、本来は現職の市議や一部の市職員のみがアクセスできるものだった。

原因

田村市議は、元市議の男性に「議案について助言をもらうためにログイン情報を伝えた」と説明しているが、議会事務局は「IDやパスワードを第三者に提供しないように」と注意喚起を行っており、田村市議の行為はルール違反にあたる可能性が指摘されている。
また、不正アクセス禁止法では、本人の許可なくシステムにアクセスする行為や、第三者にIDやパスワードを提供する行為が禁止されており、専門家の見解では今回のケースがこの法律に違反する可能性があるとみられている。

対応

問題発覚後、田村市議は3月15日に自身のX(旧Twitter)アカウントで謝罪。
「軽率な行為であったと深く反省している」とし、市民や関係者に向けて謝罪文を発表した。
議会側は、今回の問題が法的に違反に当たるかどうかを判断するため、専門家の意見を求めている。
議長は「非常に遺憾。議会として適切な対応を検討する」とコメントしている。

【参考記事】
https://www.sponichi.co.jp/society/news/2025/03/17/kiji/20250317s00042000100000c.html
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250314-OYT1T50208/